「平成23年度税制改正」
~平成23年度免税点制度の改正と仕入税額控除の見直し~

「平成23年度税制改正」
平成23年税制改正法案が6月22日成立しました。
大幅に改正が遅れたことと、当初の改正大綱を、課税の適正化などの項目と先送りされる抜本改革項目とに2分されたこ
と、6月30日から施行されるため、3月31日で期限切れとなる措置法をつなぎ法で3カ
月延長されたことで、適用期日や適用期限に留意しなければなりません。
「課税の適正化」で消費税に重要な改正がありました。
■免税点制度の改正
基準期間(当該事業年度の2期前)の課税売上高が1000万円以下である事業者は消
費税の課税が免除されていましたが、前年の事業年度の上半期の課税売上高が1000
万円を超える場合、当該事業年度において免税の適用を受けることができないこと
とされました。
1.適用時期
平成25年1月1日以後開始する個人事業者はその年、法人はその事業年度
個人事業者は平成24年1月1日から6月30日の課税売上高が1000万円を超える場合は平
成25年分から課税事業者となります。
法人は3月決算法人の場合は平成24年4月1日から9月30日の課税売上高が1000万円を
超える場合は、平成25年4月1日から課税事業者となります。
2.課税売上高と給与支払額の選択適用が可能
課税売上高が1000万円超であるか否かの判定に、上記1の期間に支払った給与等の
金額の合計額が1000万円以下であれば翌事業年度において免税点制度の適用を受け
ることができます。
■仕入税額控除の見直し
課税売上高の多寡に関係なく課税売上割合が95%以上であれば、課税仕入れ等の
税額の全額を控除することができたのですが、課税売上高が5億円を超えている場合
には、課税売上に対応する課税仕入れの税額のみが控除の対象となりました。
1.適用時期
平成24年4月1日以後開始する課税期間。個人事業者の場合は平成25年度から、法
人は3月決算の場合は来年の4月1日から適用となります。
2.非課税売上高の区分
非課税売上高は土地の譲渡や貸付、受取利息、住宅の貸付などがあります。
預金利息は利子税を控除する前の金額で計上しなければなりません。社宅の家賃収入は
本人負担分を相殺しないで計上することも注意が必要です。
3.個別対応方式と一括比例配分方式
どちらか有利なほうを選択しますが、一括比例配分を選択する場合は2年間継続し
なければなりません。
個別対応方式で、非課税売上が預金利息だけの場合、仕入税
額は一見無いようですが、経理部門で発生する費用などが課税売上と非課税売上に
共通して要するものとされることになり、注意が必要です。
(文責) 公認会計士・税理士 魚 住 正 治