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vol.300 「高齢者の居住の安定確保に関する法律と賃借権の登記」 2010.07.01
「高齢者の居住の安定確保に関する法律と賃借権の登記」
~高齢者の居住の安定確保に関する法律の施行により、高齢者を借主、終身賃貸事業者を貸主とする賃借権の登記をすることができます。~
「高齢者の居住の安定確保に関する法律と賃借権の登記」  
 
 
 高齢者の居住の安定確保に関する法律の施行により、高齢者を借主、終身賃貸 事業者を貸主とする賃借権の登記をすることができる。
 この登記は、借主の死亡を契約の終了とする終身建物賃借権の設定登記と、借主の希望により一定期間の賃借期間を定める(この期間内でも借主の死亡により賃貸借契約が終了する)期間付死亡時終了建物賃貸借の設定登記をすることができる。
 
 
高齢者の居住の安定確保に関する法律
 この法律は平成13年法律第26号「高齢者居住法」という。平成13年8月5日から施行された。 高齢化社会が進展する中で高齢者数が急速に増加することが見込まれ、高齢者世帯の賃貸住宅への入居が困難であること、及びバリアフリー住宅の増加対策等の問題が生じてきていることに対応するために、高齢者の円滑な入居を促進するための賃貸制度を設けるとともに、良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅の供給を促進するための措置を講じ、併せて高齢者に適した良好な居住環境が確保され安定的に居住することができる賃貸住宅について終身建物賃貸借制度を設ける等の措置を講ずることにより、高齢者の居住の安定の確保を図り、もってその福祉の増進に寄与することを目的として制定された。
 
 
終身建物賃貸借契約
 
(1)高齢者
 高齢者居住法第5章で定める、自ら居住するために住宅を必要とする「高齢者」とは、60歳以上の者であって、賃借人となる者以外の同居する者がないもの、 又は同居する者が配偶者若しくは60歳以上の親族(配偶者を除く)であるものに限られる。
 
(2)終身建物賃貸借の制度
 高齢者以外の者への相続承継を回避するために賃借人の死亡時に終了する旨を定めることは、民法上の相続法理及び借地借家上の借家人保護規定が障害となり、当該賃貸借契約を有効に締結することは現実にはできなかった。高齢者居住法の制定は、上記のような問題を解決し、賃借人が死亡した時に建物の賃貸借契約が終了する旨を定めることができることとし借地借家の特例が設けられることとなった。
 
(3)終身建物賃借権の登記
 自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(60歳以上の者であって、賃借人となる者以外に同居する者がないもの、又は同居する者が配偶者若しくは60歳 以上の親族であるものに限る)又は当該高齢者と同居するその配偶者を賃借人とし、当該賃借人の終身にわたって住宅を賃貸する事業を行おうとする者(終身賃貸事業者という)は、当該事業について都道府県知事(独立行政法人都市再生機構又は都道府県が終身賃貸事業者である場合にあっては、国土交通大臣)の認可を受けた場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、借地借家法30条の規定にかかわらず、当該事業に係る建物の賃貸借(1戸の賃貸住宅の賃借人が2人以上であるときは、それぞれの賃借人に係る建物の賃貸借)について、賃借人が死亡した時に終了する旨の特約をすることができる。
 
 
期間付死亡時終了建物賃貸借契約
 終身賃貸事業者は、当該認可に係る賃貸住宅について期間の定めがある建物の賃貸借をする際、賃借人となろうとする者から特に申し出があった場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、借地借家法38条第1項の規定により契約の更新がないこととする旨の特約をし、かつ、賃借人が死 亡した時に終了する旨の特約をすることができる。
 この期間付死亡時終了建物賃貸借の制度は、賃借人となろうとする者が、一定の期間に限り前記認可に係る賃貸住宅を貸借することを希望しその旨を終身賃貸事業者に申出た場合において、借地借家法38条第1項の規定により契約の更新がないこととする旨が定められた期間の定めがあり、かつ、賃借人が前記に期間満了前に死亡した時に賃貸借関係が終了するというものです。
 
 
期間付死亡時終了建物賃借権の登記
 上記の特約のある賃借権(期間付死亡時終了建物賃借権)設定の登記の存続期間の記載は、「平成〇〇年〇〇月〇日から〇〇年(又は平成〇〇年〇月〇日から平成〇〇年〇〇月〇〇日まで)又は賃借人の死亡時までのうち、いずれか短い期間」とし、特約の記載は「契約の更新がない」及び「賃借人の死亡時に賃貸借終了」とする。
 なお、終身建物賃借権の設定後においても、賃借人から特に申出があった場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、借地借家法 38条第1項の規定のより契約の更新がないこととする旨の特約をすることができる。また、借地借家法38条第1項の規定により契約の更新がないこととする 旨の特約をした定期建物賃借権の設定後においても、賃借人から特に申出があった場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り,賃借人が死亡した時に終了する旨の特約をすることができる。これ等の場合には、特約のある賃借権の設定の登記をするか、又は終身建物賃借権の設定の登記後に契約の更新がない旨の特約を追加する変更の登記をし、若しくは定期建物賃借権の設定の登記後に賃借人が死亡した時に終了する旨の特約を追加する変更の登記をすることができる。
 
 
登記の申請書 (終身建物賃借権)
登 記 申 請 書
登記の目的賃貸借設定
原   因平成〇〇年〇〇月〇〇日設定
賃   料1月00円
支 払 期毎月末日
存続期間賃借人の死亡まで
特   約賃借人の死亡時に賃貸借終了
権 利 者00市〇〇町1番1号   甲
義 務 者00市〇〇町2番2号   乙
添付書類登記原因証明情報  登記識別情報/登記済書  
印鑑証明書 代理権限証書 規則附則第15条 
第2項書面(賃借権設定契約書又は公正証書等)
平成〇〇年〇〇月0日 申請  〇〇法務局 御中
代 理 人00市〇〇町3番3号  司法書士 〇〇 〇〇
 (連絡先 tel 00―000―000)
課税価格金〇〇〇円
登録免許税金〇〇〇円
不動産の表示 

●登録免許税は、課税価格の1000分の10
 
 
期間付死亡時終了建物賃借権
登 記 申 請 書
登記の目的賃借権設定
原   因平成〇〇年0月00日設定
賃   料1月00円
支 払 期毎月末日
存続期間平成〇〇年0月〇日から〇〇年
(又は平成〇〇年0月〇日から平成〇〇年〇〇月00日まで)
又は賃借人の死亡時までのうち、いずれか短い期間
特   約契約の更新がない
権 利 者以下上記と同じ
義 務 者 
 
 
 
 
 
 
(文責) 司法書士    龍見 康務
 
 
 

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