「著作物の利用(その2)」
~著作権が制限される場合、つまり著作権者に無断で著作物を利用できる場合について~
「建設業許可について(4)~その他の要件と在籍確認~」
~建設業の許可の要件のうち経営業務管理責任者・専任技術者以外の要件について~

「著作物の利用(その2)」
1.はじめに
著作権(財産権)には、複製権及び演奏権等があり、著作者はその著作物を複製する権利を有し(著作権法第21条)、著作物を公衆に直接聞かせるために演奏する権利を有します(著作権法第22条)。したがって、他人の著作物を無断で複製し、演奏等すると、原則として他人の著作権の侵害となり、差止請求、損害賠償請求をされる虞があります。また、著作権の侵害は犯罪行為であるため、告訴されると、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(懲役と罰金の併科も可)が科されます(著作権法119条)。
前回の「著作物の利用(その1)」では、他人の著作物を利用するための方法として、利用許諾を受ける場合及び著作権の譲受等について説明しました。今回は、著作権が制限される場合、つまり著作権者に無断で著作物を利用できる場合について説明します。
2.著作権者に無断で著作物を利用できる場合
(1)私的使用のための複製
私的使用を目的とするときは、その使用者本人はコピーをすることができます(著作権法第30条)。私的使用とは、個人的な使用や家庭内での使用をいいますので、予約録画した本人が録画を観ても、著作権の侵害とはなりません。
なお、私的使用を目的とする場合でも、CD、DVD又はHDDにデジタル方式で録音・録画するときは、高品質のコピーが得られるため、著作権者に補償金を支払わなければならないと規定されています(著作権法第30条第2項)。しかし、この補償金はデジタル機器の販売時に販売価格に含めて集められ、デジタル機器のメーカーより予め著作権者に配分されているため、各ユーザーが補償金を別途支払う必要はありません。
(2)図書館における複製
公衆が利用する図書館では、図書館の館員は、営利を目的としないなら、資料をコ
ピーすることができます(著作権法第31条)。
(3)引用
公表された著作物は、引用により利用することができます(著作権法第32条)。
なお、引用は、質的にも量的にも、引用する側が主であり、引用される側が従の関係にあることが必要です。また、引用される部分が、『・・・』等により、他の部分と
明確に区分されていることが必要です。
(4)学校での複製
学校で、教員や生徒は、授業用に著作物をコピーすることができます(著作権法第
35条)。教育関係では、その他、入学試験等の試験問題として、他人の著作物を複
製しても、著作権の侵害とはならない旨の規定があります(著作権法第36条)。
(5)点字等による複製
視覚障害者の福祉を増進するため、著作物を点字に翻訳して複製することが認めら
れています(著作権法第37条)。また、聴覚障害者の福祉の増進のために、放送番
組の音声を文字にして送信することが認められています(著作権法第37条の2)。
(6)時事事件の報道のための利用
時事事件を報道するときは、その事件を構成する著作物を複製し、利用することが
認められています(著作権法第41条)。
(3)引用
公表された著作物は、引用により利用することができます(著作権法第32条)。
なお、引用は、質的にも量的にも、引用する側が主であり、引用される側が従の関係にあることが必要です。また、引用される部分が、『・・・』等により、他の部分と
明確に区分されていることが必要です。
(7)裁判手続等における複製
裁判のために必要な場合及び立法又は行政のための内部資料として必要な場合は、
著作物の複製が認められています(著作権法第42条)。
さらに詳細をお知りになりたい方は、ご連絡下さい。
(文責)弁理士 川瀬 裕之
「建設業許可について(4)」 ~その他の要件と在籍確認~
今回は、建設業の許可の要件のうち経営業務管理責任者・専任技術者以外の要件についてお話します。
建設業の許可について、経営業務管理責任者・専任技術者の要件がネックであり、許可が取得できないケースのほとんどがこの2要件を満たせなったことが原因であるといえます。
ただ、建設業許可について他の要件も厳格に定められており、1つでも要件に合わなければもちろん許可は与えられませんので、やはり注意が必要でしょう。
○誠実性を有すること
誠実性を有することとは、申請者およびその役員等が請負契約に関して不正または不
誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことを指します。不正行為とは、請負契
約の履行について詐欺、脅迫、横領、文書偽装などの法律違反の行為をいい、不誠実
な行為とは工事の内容、工期などに関する請負契約違反をいいます。建築士法や宅地
建物取引業法等の規定により不正や不誠実な行為を行ったとして免許等の取り消し処
分を受けてから5年を経過しない者や暴力団の構成員などは、この基準を満たさない
ものとして取り扱われます。
○財産的基礎または金銭的信用を有すること
建設業を営むにあたっては、資材の購入や工事着工のための準備費用など、ある程度
の資金の確保が必要となりますので、許可の要件として、最低限度の経済的な水準を
定めています。既存の業者については、許可申請直前決算時の貸借対照表において、
新規設立の法人にあっては、創業時におけて財務諸表の純資産額(自己資本額)が5
00万円以上であることが必要です。
または、金融機関の預金残高証明書(残高日が申請直前2週間以内のもの)等で、5
00万円以上の資金調達能力があることを証明する必要があります。
○過去において一定の法令の規定等に違反した者でないこと
この基準は、消極的要件すなわち欠格要件といわれるもので、該当していれば許可を
取得することはできません。
1.許可申請書または添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、または重
要な事実の記載が欠けている場合
2.建設業者として適正を期待し得ないと考えられるに該当する場合です。
法人にあ
っては法人の役員、個人にあってはその本人や支配人、その他支店長・営業所長等が
成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者や不正の手段で許可を受けた
ことにより、その許可を取り消されてから5年を経過しないことがこれにあたります。
(文責) 行政書士 谷口 恵子