「著作権(その2)著作権の種類」
~一般に、著作権には、著作者の権利(著作権)と、実演家等の権利の2種類があります~
「NEWS1」
~10年ぶり診療報酬増で患者負担増~
「NEWS2」
~消費税の申告期限は3月31日まで~

「著作権(その2)」 ~著作権の種類~
1.はじめに
著作権という言葉は、いろいろな意味に使用されますが、一般に、著作権には、著作者の権利(著作権)と、実演家等の権利の2種類があります。音楽を例に挙げれば、作曲者には著作者の権利が発生し、その音楽の実演者には実演家の権利が発生します。
著作者の権利(著作権)には、公表権や氏名表示権等からなる著作者人格権と、複製権で代表される著作権(財産権)の2種類があり、これらについては、前回説明しました。今回は、実演家等の権利について、説明します。
2.実演家等の権利
(1)実演家等の権利は、著作物を伝達した者に発生する権利です。
上に例示した音楽の場合であれば、音楽の実演者に発生する権利であり、お芝居の場合であれば、出演した俳優に実演家の権利が発生します。実演家等の権利は、実演家の他、レコード製作者、放送事業者や有線放送事業者に認められ、レコードにはCDやDVD等が含まれます。
たとえば、音楽を実演する場合であれば、新しい曲(著作物)を創作するわけではありませんが、歌手(実演家)により歌い方が異なり、ギターをバックにして歌うのと、マンドリンをバックにして歌うのとでは、同じ曲でも曲の雰囲気が変わってきます。そこで、このような工夫に対し、著作者の権利とは別に、実演家等の権利を認め、保護しています。実演家等の権利も、無登録主義によるため、著作者の権利と同様に、実演等を行った時に自動的に発生します。
(2)実演家等の権利には、著作者の権利と同様に、実演家人格権と、著作隣接権(財産権)の2種類があります。
1)実演家人格権には、氏名表示権と同一性保持権の2種類があり、公表権はありません。
実演は、公表を前提としているためです。また、実演家人格権は認められていますが、レコード製作者、放送事業者や有線放送事業者には、人格権は認められていません。
(i)氏名表示権;
実名または変名(例:芸名)を表示し、あるいは表示しないこととする権利です(著作権法第90条の2第1項)。なお、実演した音楽をBGMで流す場合のように、氏名の表示を省略しても、実演家の利益を害することがなく、公正な慣行に反しないときは、実演家の氏名を省略することができます(著作権法第90条の2第3項)。
(ii)同一性保持権;
実演家は、自己の名誉や声望を害するような改変を受けないものとすると規定されています(著作権法第90条の3)。
2)著作隣接権(財産権);
(i)実演家の著作隣接権(財産権)には、許諾権と報酬請求権の2種類があります。
許諾権は、他人の利用を許諾し、または禁止する権利であり、報酬請求権は、他人の利用に対して使用料を請求する権利です。
(ii)レコード製作者の著作隣接権(財産権)にも許諾権と報酬請求権とがあります。
たとえば、市販用CDの公衆向けレンタルの場合、CD製作者はレンタル店に対して報酬(使用料)を請求できます。
(iii)テレビやラジオ等の放送事業者と、ケーブルテレビ等の有線放送事業者には、録音・録画等について許諾権が認められています(著作権法第98条、100条の2)。
3)保護期間
実演家人格権は、人格権であるため、一身専属であり、保護期間は実演家の生存期間です(著作権法101条の2)。一方、著作隣接権(財産権)の保護期間は、実演や放送等を行った時から50年間ですが、年数の計算は、実演や放送等を行った年の翌年の1月1日から起算します(著作権法第101条)。
さらに詳細をお知りになりたい方は、ご連絡下さい。
(文責)弁理士 川瀬 裕之
「NEWS」
10年ぶり診療報酬増で患者負担増~~救急の特別料金徴収制度は見送り
病院など医療機関に支払われる診療報酬が10年ぶりに増額され、4月から医療にかかる値段が変更される。このプラス改定は、深刻化する「医療崩壊」を食い止めるための予算の増額配分である。診療所の再診料は減額されるなど、限られた予算の中でギリギリのやり繰りの末、支払い・診療側が手にした妥協点だった。
診療報酬は税と保険料、患者の自己負担で賄われるため、その引き上げは国民―患者の負担増を伴う結果となる。増額の大半が入院治療に配分されるのは、病院勤務医の待遇改善が狙い。
地域の医師が当番を務める救急病院で新設されたのは、休日・夜間診療を受けると1,000円が加算されるというもの。2次救急医療機関に搬送されると入院料は一日当たり6,000円から8,000円に増額。妊婦の「たらい回し」をなくすために救急搬送された妊産婦の入院費の大幅増やリスクの高い出産の料金も上がる。再診料は90円アップと病院への配分を厚くした。
また、「発熱したが心配」などの軽症患者がその日に帰宅できたら特別料金を徴収することの制度化は、今回見送られた。本来は重症者のためにある救急病院や救急車だが、総務省によると救急車搬送年間約500万人の過半数は軽症者だったことは由々しき問題である。
救急車や病院は、タクシー代わりでも家庭医でもない。安心や納得を得るための行為は医療制度全体にも及ぶ小さな波紋と自戒したいものだ。
消費税の申告期限は3月31日まで~~事業用資産の譲渡では申告に注意
2009年分消費税の確定申告の期限は3月31日までだが、国税当局は、消費税の申告に当たり、事業用資産の譲渡がある場合に誤りやすい事例を示して注意を促している。
建物等の譲渡収入のうち、事業の用に供していた建物や機械などの譲渡収入は消費税の課税売上に該当するので、消費税の課税事業者は、消費税の確定申告の際には、その譲渡収入を課税売上に含めて申告する必要がある。
まず、貸付用建物の譲渡に係る消費税の申告漏れが挙げられている。例えば、不動産賃貸業を営む消費税課税事業者は、複数保有する貸付用マンションのうちの1室を売却し、譲渡損失が生じていたことから、建物相当金額を課税売上に計上することは不要と判断し、消費税の申告を過少に行っていたというものだ。
次に、負担付贈与による事業譲渡に伴う建物及び設備等に係る消費税の申告漏れがある。例えば、個人病院を経営していた消費税課税事業者は、土地建物及び医療関係機器を含む事業用設備等を負担付贈与で長男に譲渡した。この事業者は、その譲渡をした年分の事業所得及びその負担付贈与に係る譲渡所得等の確定申告は行っていたが、消費税の確定申告の際に、建物及び事業用設備等相当額を課税売上に計上することを失念していた。
このように、消費税については、納税者にとっては思わぬところで申告誤りがあるようなので、これらの事例を参照して消費税の申告内容を再点検したいものだ。
(文責) ネットファーム 事務局