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vol.280 「農地の売買による所有権移転登記/建設業許可について(1)」 2010.02.04
「農地の売買による所有権移転登記」
 ~農地の所有権移転登記の申請書には、農地法の許可書又は届書を添付しなければならない。農地について所有権移転、又は農地を農地以外に転用をしようとする者は、農地法所定の許可を受けなければならない。~

「建設業許可について(1)」
 ~工事を請け負うことを営業する業者は、建設業法に基づき、元請負人・下請負人にかかわらず、個人・法人の区別なく施工金額に関係なく建設業の許可を受けることが必要。初歩的な事項から説明しています。~
「農地の売買による所有権移転登記」
 
 
 農地の所有権移転登記の申請書には、農地法の許可書又は届書を添付しなければならない。農地について所有権移転、又は農地を農地以外に転用をしようとする者は、農地法所定の許可を受けなければならない。賃借権、地上権などの権利変動についても許可を要する。ただし、この許可を要しないものについては、農地法3条、4条、5条で規定されている。なお、市街化区域内の農地については、許可に代えて農業委員会にあらかじめ届出をしなければならない。
 
 
農地法の根拠条文
農地法第3条 農地の所有権を移転する。(農地を農地以外に転用しない)
農地法第4条 農地を農地以外に転用する。(農地の所有権を移転しない場合)
農地法第5条 農地の所有権を移転し、かつ、農地を農地以外に転用する。(3条、4条をミックスした形態)
 
 
 
売買日・登記原因証明情報
 農地の所有権を移転するためには、農地法3条又は5条の規定による許可を受けなければその効力が生じない。
 例えば、農地法3条(又は5条)の許可を条件とする停止条件付売買契約を締結した場合には、その契約の効力は当該許可書が売買当事者に到達した時に発生し、この到達日が売買の登記原因の日付となる。なお、農地法所定の許可書が売買当事者に到達した後に売買契約を締結した場合は、この売買契約書が登記原因証明情報としての一般的要件を具備していることになる。
 
 
 
売買当事者の死亡と許可書の効力
 
1)売主が許可前に死亡
売主と買主とで農地法所定の許可の申請をしたが、その許可がある前に売主が死亡した場合は、その許可の効力は売主の相続人に及ぶ。この場合は、相続登記をした後に、相続人から買主に所有権移転の登記を申請することになる。売主死亡(相続発生)に農地法の許可書が到達しているから相続登記を省略することはできない。
 
2)買主が許可前に死亡
売主と買主とで農地法所定の許可申請をしたが、その許可がある前に買主が死亡した場合は、死亡後になされた買主に対する当該許可は無効である。
 
3)買主が許可後に死亡
農地法所定の許可があったので、売主と買主との間で売買契約が締結され所有権は移転したが、所有権移転の登記手続がまだなされていない状態で買主が死亡した場合は、買主の相続人に対して直接所有権移転の登記をすることができない。この場合は、買主(死者)名義で所有権移転登記をし、その後に買主の相続人に相続の登記をする。
 
 
 
(文責)司法書士   龍 見  康 務  
 
 
「建設業許可について(1)」 
 
 
 営業許可といえば代表的なものが建設業です。行政書士として一番ご相談が多いのも建設業の許可についての事柄です。建設業界もやはり不況の影響を受けてますます厳しい状況ですし、公共工事も少なくなってきています。生き残りをかけて淘汰される時代であるとも言われていますが、建設業は基幹産業であることに変わりなく、今後も新規に建設業に参入される業者はあるでしょうし、また、建設業の許可制度がなくなることはありません。
 何度か建設業の許可制度について取り上げてきましたが、再度、初歩的な事項からお話していこうと思います。

 そもそも工事を請け負うことを営業する業者は、建設業法に基づき、元請負人・下請負人にかかわらず、個人・法人の区別なく施工金額に関係なく建設業の許可を受けることが必要です。許可が除外されているのは、500万円に満たない軽微な建設工事しか行わない業者のみです。ただ、社会的な信用度から考えても建設業を無許可で行い、営業を続けていくことはやはり厳しいと思われます。建設業を営む業者にとって許可はなくてはならないものであると考えられます。
 
 
 
○なぜ許可が必要なのか。
 
 戦後まもなく制定された建設業法によって、建設業の許可制度が確立されました。この建設業法の大きな目的は「発注者を保護する」ことです。許可制度の基本概念は、一定の施工能力、資力、信用があるものに限り工事を施工することができるとしていることです。

 一般に発注者には完成した建築物や土木工作物について良い物かどうか、不具合があるかどうか容易に判断できません。あらかじめその品質を確認することができません。また、完成後の瑕疵は確認すること自体非常に困難であり、仮に何らかの瑕疵が見つかったとしてもその修復もさらに困難であることなど、建設業は他の産業と異なる特性があります。建造された建築物の多くは、長期間、不特定多数の人に利用される公共性の高いものです。

 建設業の許可は、こうした手抜き工事や粗雑工事を未然に防ぐよう一定の基準を満たしている施工業者を選別するためにあるのです。 適正な施工を確保し、発注者を保護するため業種別に建設業者としての要件が審査され、その要件に合う業者が建設業を営むことができる制度なのです。

 建設業の経験も資格もない方が、許可をすぐに受けることができる制度ではないのです。
 
 
次回は、具体的な許可の要件について、お話します。
 
 
 
(文責)行政書士   谷 口  恵 子  
 
 

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