「時評」
~政権交代に思う~
「News1」
1)企業が躍起になるコスト削減
~鉛筆1本でも社長決済が必要!?
2)売上割戻しは金銭による方が無難
~物品は交際費課税の問題も生じる

「時評」 ~政権交代に思う~
日本が動いた。地滑り的うねりによって、50年以上続いた自民党政権が崩れ、民主党政権が誕生することになった。先の衆議院議員選挙において、自民党の当選者119人に対して、民主党は308人が当選して大勝した。しかし、不思議なことに、そこには太平洋対岸のアメリカにオバマ大統領が誕生した時のようなフィーバーはない。
戦後50余年続いた長期自民党政権により、政・官・財の癒着によるしがらみが、最早どうにもならない状況となり、とうとう自民党に愛想をつかした国民が、一度民主党に交代させてみようと決断したものの、寄り合い所帯の民主党には、外交、安全保障面での不安があり、手放しでは喜べないからであろう。
民主党を大勝に導いた立役者は、選挙担当の代表代行、小沢氏であることは言うまであるまい。その小沢氏ほど、毀誉褒貶の激しい政治家も珍しい。豪腕、壊し屋、権力欲の固まりのように言う者がいる反面、小沢氏の絶対的な信奉者も数多い。
振り返ると、彼は元自民党の保守本流に居て、若くして幹事長を勤めた人である。当時、政界の実力者から、次はお前が総理になれと言われたのを、今総理になっても自分がやろうとすることはできないからと言って断った経緯があるそうである。彼がまずやろうとしたことは政治改革であった。政権交代可能な二大政党を作るため、まず、中選挙区制を小選挙区制に変えようとした。政変の末、16年前に同士と共に自民党を割って出て、中心となって、8党連合の与党政権を樹立し、自民党を野党に追いやった。
しかし、それも長くは続かなかった。1年も経たないうちに連合政権の細川総理が突然総理の座を投げ出し、その後を継いだ羽田内閣も、なりふり構わぬ自民党が、社会党とくっついて政権を取り戻したことにより、あえなく野党に転落した。
その後、新進党を立ち上げたが、小沢路線に反対する者の反乱により、新進党を解党して、より純化した自由党を立ち上げ、一時、自民党の小渕政権と連合したりしたが、小渕氏の突然の死亡により、再び自民党から離れた。その際、自由党の一部は保守党として、自民党との連合政権に残った。小沢氏は、最終的には自由党をも解党して、民主党と一緒になって現在に至っている。そして、雌伏16年、このたびの衆議院議員選挙を大勝に導き、政権を担うことになったのである。
戦後六十数年、日本は世界の常識が通用しないおかしな国になってしまった。現在の日本では「弱い」ことが「善」であり、「強い」ことが「悪」という風潮になってしまっているが、強い権力を持たねば、とうてい改革などできるはずがない。小沢氏の凄いところは、政権を奪取して権力を握るために「小沢一郎政治塾」を開き、一から子飼いの兵を養って来たことである。今回、衆議院議員に当選した新人議員のほとんどは、小沢氏の息のかかった者であり、選挙後の小沢グループは、120名程度になるだろうと言われている。改革のための第一歩が築かれたのである。
次の目標は、来年7月に行われる参議院議員選挙で、民主党が単独過半数を取ることである。
政権に野望を抱く者には二通りある。政権に居座ること自体が目的である者と、政権を取り権力を握ることは、事をなすための手段であるとする者とである。
何も心配することはない。政権を取り、強い権力を握った小沢氏の最終目標は、過去一貫して変わっておらず、それは「政権交代可能な二大政党」を作り、日本の国を自立した「普通の国」に変えることにあると私は信じて疑わない。
(文責)行政書士 古田 嘉人
「News」
1)企業が躍起になるコスト削減~~鉛筆1本でも社長決済が必要!?
かつて湾岸戦争勃発時に自動車メーカーは原油高騰などに遭い、TV広告や印刷費などの外注費を削った。今や海外の紛争、大型倒産、政権交代もコストカットの契機となる。“乾いたタオルも絞る”の名文句?は有名企業についたあだ名である。
まずは人件費。帝国データバンク調査によると、08年の人件費は、前年比0.9%減少した(退職金や役員報酬を除く)。業績悪化で賞与などが減少し、団塊世代の大量退職で賃金負担が減り、前年比3.6%減少した。しかし、日産が残業抑制で手当を75%も削ったことや、「派遣切り」とは異質の人件費減少で削減とはいえない。
次に自動車や電機に多い部品・資材の調達費削減である。ソニーは調達コスト削減を円滑に進めるため、取引先を評価する3項目の全社共通の新指標を設定した。コスト削減に協力的で供給能力や技術力が高いメーカーを選んで集中的に発注する基準である。キヤノンは在庫管理に社長直轄チームを立ち上げ徹底する。NECはソフト開発やシステム設計を内製化。三菱自動車はTV広告からネット広告に切り替え役員のグリーン車も禁止。極めつけはスズキの鉛筆1本の購入費も社長決裁といった具合に、コスト意識徹底を求めている。
今コスト対策はLCCが常識で、製品や構造物などの費用を、調達・製造―使用―廃棄と一貫して考え、オイルショックなど不測事態の外的要因にも備える「生涯費用」を基本に置く。
2)売上割戻しは金銭による方が無難~~物品は交際費課税の問題も生じる
得意先に対して「売上割戻し」を行なうことがあるが、その場合、これを金銭で行なうか物品で行なうかによって課税上の取り扱いが異なるので注意したい。
金銭による売上割戻しは単なる売上代金の返戻として取り扱われることになるが、これを物品によって行なった場合には、「交際費課税」の問題が生じることになる。というのも、物品を取引先に交付する行為は、取引の謝礼としての贈答にほかならないからだ。
ただし、物品を交付する場合であっても、事業用資産やその物品の購入単価が少額(おおむね3,000円以下)である物品等で、その交付の基準が金銭による売上割戻しの算定基準と同一である場合などは、これらの物品の交付費用は「交際費等」に該当しないことになる。事業用資産とは、得意先において棚卸資産や固定資産として販売または使用することが明らかな物品をいう。
また、ビール券や図書券などのように、引換物品の種類が特定されている商品引換券等については、その券面金額により少額物品となるかどうかを判定する。ただし、商品券やお買い物券などのように、引換物品の種類が特定されていない商品引換券等を交付するための費用は、「交際費等」に該当する。
要するに、売上割戻しを行なう際には、それが少額物品である場合等を除き、金銭で行なっておくのが無難ということになろう。
(文責)ネットファーム事務局