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vol.261 「利益相反行為について/防災の日に思う」 2009.09.03
「利益相反行為について」
 ~銀行より5,000万円を借り受け、その債務を担保するため会社所有の不動産に抵当権を設定したい場合を事例を挙げて説明しています~

「防災の日に思う」
 ~防災の日にちなみ、天候から政治まで身の周りの危険について~
「利益相反行為について」
 
【事 例】
 
 大阪商事株式会社(取締役会設置会社)の取締役は、甲、乙、丙の3名で、甲が代表取締役である。今般、甲と乙は、連帯して、A銀行より、金5,000万円を借り受け、その債務を担保するため、大阪商事株式会社所有の不動産に抵当権を設定したい。
 取締役個人の債務を担保するため、会社所有の不動産に抵当権を設定することは、会社法365条で準用する同法356条の利益相反行為に該当するため、取締役の承認決議が必要となります。取締役甲、乙は、会社法369条2項の「特別利害関係を有する取締役」に該当するため、取締役会に決議に参加することができず、参加できる取締役は、特別利害関係を有しない丙1名となる。
 丙1名で有効に取締役会の承認決議をなすことができるのか?
 
 
【取締役、会社間の利益相反取引と取締役会の承認決議の可否】
 
 取締役承認決議は、原則として取締役の過半数が出席し、その出席した取締役数の過半数をもって、決することになる。 利益相反する取締役は特別利害関係人に該当する。特別利害関係を有する取締役は、取締役会の決議に参加することができない。従って、定足数は、利害関係を有する取締役を定足数の算定の基礎となる現存となる員数から除いて算定する。
 
 
【本件の場合】
 
取締役総数3名
利害関係ある取締役総数2名
定足数算定の基礎となる取締役数1名
定足数(取締役会を開催し、決議するために必要な出席者の数)  1名
賛成取締役数1名
となり、特別利害関係を有しない取締役丙が1名出席して、丙の賛成があれば有効に決議が成立したことになります。
 
 
【取締役全員を連帯債務者とする抵当権設定のときは】
 
 取締役全員を連帯債務者とする抵当権設定行為は、取締役全員が利害関係人に該当し、定足数を欠くことになり、取締役会そのものが成立しないため、取締役会の承認を得ることができない。なお、その場合は、取締役を1名以上新たに株主総会にて選任するか、仮取締役の選任を裁判所に請求して、1名以上の仮取締役を選任し、その者が取締役会を開いて承認決議をすることになります。
 
 
【取締役会議事録】
 
 
取 締 役 会 議 事 録
平成21年〇〇月〇〇日午前10時00分本店会議室において、取締役会を開催した。
取締役総数3名(利害関係取締役を除く総数 1名)
出席取締役数 3名(利害関係取締役を除く数 1名)
上記のとおり、過半数の取締役が出席したので、本会は適法に成立した。よって、取締役丙は、議長に席に着き、下記議事を審議した。
議 案担 保 提 供 の 件
議長は、債務者甲、乙が連帯してA銀行から金5,000万円の融資を受けるにつき、その債務支払の保証として当会社所有の後記不動産に下記要領の抵当権を設定する件について詳細にその理由を議場に説明した後、その賛否を諮ったところ満場一致をもってこれを承認可決した。
なお、利害関係ある取締役甲、乙は、この決議に参加しなかった。
 
登記の目的抵 当 権 設 定
債権額金5,000万円
利  息年 0 %
損害金年 0 %
不動産の表示大阪市〇〇区〇〇町2丁目00番  宅地 167.56㎡
同所00番地 家屋番号00番   の建物
 
以上にて、本日の議事を終了したので、午前11時00分、議長は閉会を宣した。
この決議を明確にするため、議長及び出席取締役は次に記名押印する。
平成21年〇〇月〇〇日
(商 号) 大阪商事株式会社取締役会
議   長丙     印
出席取締役(代表取締役)甲     印
出席取締役乙     印
 
 
(文責)法書士・土地家屋調査士    龍 見 康 務
 
 
防災の日に思う
 
 
 危機をあおり立てる訳ではないが、昨今、身の周りは危険が一杯である。

 この夏も、ゲリラ豪雨、長雨、日照不足、地震等々が現われた。そういえば、昨日は「防災の日」であった。1923年9月1日の関東大震災が発生した日に因み、1960年に制定された。又、立春から数えて210日目に当たり、台風シーズンの幕開けを告げる。既に、台風も東北沖に存在している。1959年(昭和34年)9月26日の「伊勢湾台風」によって、戦後最大の被害(全半壊・流失家屋15万3,893戸、浸水家屋36万3,611戸、死者4,700人、行方不明401人、傷者3万8,917人)を被ったことが契機となって、地震や風水害等に対する心構え等を育成するため、防災の日が創設されている。かつては、人の防災意識や危険予知能力を向上させる仕組みや取り組みが重要視されてきた。

 ところで、今年は夏にも関わらずインフルエンザが大発生している。予測では、晩秋のシーズンには2500万人を超える大流行が報じられている。今年の春先には、こぞって学級閉鎖が行われ、マスクが売り切れになった。それこそ、猫も杓子もマスクという状況であった。この夏は、大発生にも関わらずマスクは売れなかった。一体、何なんだろう?一種の流行に過ぎなかったのだろうか。ファッションだったのだろうか?どうも本質は、防災意識・予防意識というよりは、ファッションだったのだろうか?どうも本質は、防災意識・予防意識というよりは、マスコミに煽られた流行であったようである。海外から来日した外国人が、一様に驚くのは、電車の中で嘴のようなマスクをして、皆が皆、携帯に見入っている姿であるという。非難する訳ではないが、文化性とか、個性といった、人間社会の片鱗が見えないのである。「吾輩は猫である」ではないが、猫の方が、黒、白、三毛、尻尾の長さ、声色など、よっぽど特徴に満ちている、と漱石もぼやいているようである。

 先日、衆議院選挙で、ある党が圧勝した。是非はともかく、地元に居住しない落下傘候補や若干の経験も学識もないと推定されるような“坊ちゃん”“お嬢ちゃん”が多数当選した。どうも、インフルエンザ流行と同じようなマスコミ効果としか考えられない動向であった。「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」との先の明訓である。この上は、マスコミのみに目を奪われていては、国民にとって大災害となってしまう。1930年代に、このようにして権力が絶対化した歴史を忘却してはならない。

 ともかく、防災の日である。我々が予防対策を立てなければならない事がまた一つ増えたように思う。皆さま、問題意識を深く、心して行きましょう!
 
 
 
 
(文責)株式会社 経営改善センター  山本 正
 

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