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vol.259 「商標法上の商品について/会社に求められる労務管理<2>」 2009.08.20
「商標法上の商品について」
 ~商標法では、商品について定義されていませんが過去の判決によると、商品は、(1)独立性、(2)有償性、(3)流通性、(4)動産性、が必要と言うことになります。~

「会社に求められる労務管理<2>」
 ~自動車管理~
交通事故に関した事業主の責任と自動車管理について
「商標法上の商品について」
 
 商標法では、商品について定義されていませんが、商品について定義した判決は数件あり、天一事件控訴審判決(東高判S63.3.29)が有名です。この判決では、「商標法における商品は、商取引の目的物として流通性のあるもの、すなわち、一般市場で流通させることを目的として生産される有体物であると解すべきである。」と判示しています。この判決によると、商品は、(1)独立性、(2)有償性、(3)流通性、(4)動産性、が必要であるということになります。それぞれの内容を簡単に説明し、関連する判例を挙げて補足します。
 
 
 
1.独立性
 
 
(1)商品は、それ自体が商取引の目的物であり、直接、商取引の対象になっていることが必要です。したがって、販促品であるノベルティ商品やオマケ等は、独立性がないため、商標法上の商品には該当しません。
 
(2)趣味の会事件(東地判S36.3.2 S32(ワ)527)では、商品は商取引の目的物であり、商品としての交換価値を有するものであると定義した上で、被告のパンフレットは、営業の宣伝のために、商品に添えて無料で配布されるものであるから、商取引の直接の目的物ではなく、刊行物としての交換価値も認められない。したがって、商標法上の商品ではないと判示しています。
 
 
 
1.独立性
 
 
(1)商品は、それ自体が商取引の目的物であり、直接、商取引の対象になっていることが必要です。したがって、販促品であるノベルティ商品やオマケ等は、独立性がないため、商標法上の商品には該当しません。
 
(2)趣味の会事件(東地判S36.3.2 S32(ワ)527)では、商品は商取引の目的物であり、商品としての交換価値を有するものであると定義した上で、被告のパンフレットは、営業の宣伝のために、商品に添えて無料で配布されるものであるから、商取引の直接の目的物ではなく、刊行物としての交換価値も認められない。したがって、商標法上の商品ではないと判示しています。
 
 
 
2.有償性
 
 
(1)無償で配布する行為は商取引とは言わないため、商品には有償性が必要です。ただし、ホットペーパー、タウンワーク等の無料紙(;フリーペーパー)は、配布する読者から対価を得ていないものの、広告主から広告料を得ているため、商標法上の 商品と認められています。
 
(2)日曜夕刊事件(東高判S52.8.24 S50(行ケ)154)では、新聞取次店が、夕刊のない日曜日に、顧客に対するサービスを目的として、過去のニュース等を掲載した新聞「日曜夕刊」を店頭のスタンドに入れて無料配布した案件で、この新聞は有償性がないため商品に該当しないと判示しています。
 
 
 
3.流通性
 
 
(1)商品は、製造された後、通常は、卸売業者、小売店を経て、顧客に販売されるため、商品には流通性が必要です。ただし、製造業者が直売する商品は、商品の移動があるため、流通性が認められています。
 
(2)中納言事件(大阪地判S61.12.25 S59(ワ)5703)では、料理店の店内で提供する料理は、流通性がないため、商標法上の商品ではないと判示しています。なお、料理店が販売するお持ち帰り品には流通性があり、商品と認められています。
 
 
 
4.動産性
 
 
(1)商品は、商取引の目的物として流通し、一般市場で流通させることを目的として生産されるものであるため、商品には動産性が必要です。したがって、土地、建物等の不動産や無体物は、商品には該当しません。
 
(2)ダイダラザウルス事件(大阪地判S45.5.20 S45(ヨ)1219)は、産業機械器具等を指定商品とする登録商標「ダイダラザウルス」の商標権者が、エキスポランドにあるジェットコースターの名称「ダイダラザウルス」の使用禁止を求めた仮処分事件です。この事件では、商品は、取引の対象として流通性を有する代替可能な有体動産であると定義した上で、ジェットコースターは、不動産であり、土地の定着物であるから、代替性がなく、商標法上の商品ではないと判示しています。
 
 
 
さらに詳細をお知りになりたい方は、ご連絡下さい。
 
 
 
(文責) 弁理士   川瀬 裕之
 
 
会社に求められる労務管理 <2> ~自動車管理~
 
 
 タクシー会社や運送会社に限らず、自動車を営業業務に使用する、マイカー通勤を認めている会社は少なくありません。従業員が業務中に交通事故を起こした場合、会社もその被害者に対し、損害賠償義務を負うとされます。また、業務中の交通事故のみならず、従業員の通勤途上中の交通事故にも会社責任が問われる場合もあります。従業員が自動車運転をするような会社ではこのようなリスクが常にあるということを念頭におき、使用目的に応じた車両管理を行う必要があります。
 今回は、交通事故に関した事業主の責任と自動車管理についてお話しします。
 
 
 
●使用者責任と運用供用者責任
 
 業務中に交通事故を起こした運転手を雇用する事業主はその事故に運転上の過失(不法行為)がある場合、運転手が被害者に与えた損害を賠償しなければなりません。これを民法の使用者責任といいます。運行供用者責任とは、交通事故が人身事故であるならば事故を起こした自動車の所有者などが被害者に対し、その損害賠償を負うことをいいます(自動車損害賠償保障法第3条)。運行供用者は、事故を起こした車両の運行を支配管理する権限のある者と規定されています。
 交通事故が物損事故である場合は使用者責任ですが、人身事故になると運行供用者責任も適用されます。
 
 
 
●どこまでが使用者の責任はあるか
 
 自動車を業務に使用する場合は、前述のとおり使用者責任、運用供用者責任の義務が生じますが、従業員のマイカー通勤の場合はどうでしょうか。マイカーを通勤のみに使用させ、業務に使用させていない場合でも、会社の責任が問われるケースがあります。マイカーを会社業務用として使用していないものの、業務の円滑な遂行や効率をあげるために便利である場合など会社が実態として黙認・放任しているケースなどがそれに該当します。
 このような場合、運行の利益は会社が享受しているということになりますので、使用者責任、運用供用者責任があると判断されます。
 
 
 
●自動車管理
 
 業務に社用車を使用する場合・従業員の私有車を業務に使用している場合、マイカー通勤のみを認めている場合で異なった自動車管理が必要となるでしょう。まず、社用車については、従業員の私的利用や社有車の仕事先への出退勤を厳格に禁止し、業務中以外の交通事故の発生の抑止をする必要があります。私有車を業務に使用する場合は、付保する車両保険の取り扱い(従業員名義の車両でも保険契約は会社にする、保険料は会社が負担するなど)や事故が起こった場合の具体的な処理方法を決めおいた方が良いでしょう。
 では、マイカー通勤の場合ですが、業務使用の禁止を形式的に禁止するだけでなく、実態上も業務には使用せず、交通事情によりやむを得ない従業員に限りマイカー通勤を認める許可制にし、運転年数、違反・事故歴、任意保険の内容など、事前に会社は確認しておく必要があります。いずれの場合も車両管理規定やマイカー通勤規定など規定を設けて労務管理をしなければなりません。
 
 
(文責)社会保険労務士・行政書士 谷口恵子
 
※会社に求められる労務管理<1>は、7月16日 №255 に掲載
 
 

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