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vol.255 「特許の先行技術調査が無料で受けられる制度/他」 2009.07.16
「特許の先行技術調査が無料で受けられる制度」
 ~この制度は、中小企業や個人を支援するための制度であり、近年利用が急増し、平成20年度の利用件数は約5,500件となりました。~

「会社に求められる労務管理<1>」
 ~安全配慮義務について~
「特許の先行技術調査が無料で受けられる制度」
 
1.はじめに
 
 この制度は、中小企業や個人を支援するための制度であり、特許出願後、審査請求前の出願について、出願人からの依頼により調査事業者が先行技術を無料で調査する制度です。

 本制度を利用することにより、20万円程度の費用が必要な審査請求をする前に、審査請求をするかどうかの判断が可能となり、調査結果に基づき先行技術との差異を明確にする補正をすることにより、特許される可能性を高めることができます。また、調査結果を利用すれば、早期審査の申請書を容易に作成することができるため、審査を早めることができます。さらに、日本出願についての先行技術を利用することにより、外国での特許取得の容易化を図ることができます。

 このような利点があるため、中小企業や個人の方々の利用が急増し、平成20年度の利用件数は約5,500件となりました。
 
 
 
 
2.制度の内容
 
(1)中小企業(たとえば、製造業の場合、従業員が300人以下の企業、または資本金が3億円以下の企業であって、大企業による支配関係がない企業です。)、または個人及びその出願代理人の方々が利用できます。

(2)特許出願後、審査請求前の特許出願について利用できます。なお、平成21年度は、平成22年2月26日まで本制度を利用可能ですが、例年、期限直前には依頼が集中し、予算により途中で終了する場合もあるため、早目に利用する方がよいように思います。

(3)セキュリティー等を考慮して特許庁が選定した調査事業者の中からいずれか1つを、技術内容に基づき選定し、調査依頼書と出願書類の写しを添えて調査事業者に申し込みます。

(4)申し込みをしてから約3週間後に、調査事業者から調査報告書と先行技術文献等が郵送されます。調査の申し込み者は、調査費用を支払う必要はありません。調査費用は、特許庁が負担します。

(5)調査報告書には、調査事業者の判断(同一、類似等)が記載され、調査報告書に関する相談を調査事業者に求めることができます。なお、相談には、特許性の判断及び補正書の作成等は含まれていません。
 
 
 
 
さらに詳細をお知りになりたい方は、ご連絡下さい。
 
 
(文責)弁理士  川瀬 裕之
 
「会社に求められる労務管理 <1>」 ~安全配慮義務~
 
 
 近年、雇用環境は大きく様変わりしています。長期で安定的な雇用システムから労働契約は個別化・多様化しており、それに対応する会社側の労務管理が求められます。

 今回から今後、会社に求められる労務管理についてお話したいと思います。今回は使用者側の安全配慮義務について説明します。 使用者(事業主)と労働者との関係は、労務提供・賃金支払という契約(労働契約)を結んで成り立っています。この労働契約は、使用者・労働者互いに権利義務があり、労働者は会社が求める労務を提供しければなりませんし、会社にはそれに対して賃金支払いの義務があります。使用者の場合、賃金を支払うだけで義務が全て履行されるのではなく、それに付随し、以下のような義務や責任があります。
 
 
●会社の責任
 
1.安全配慮義務・・
 労働によって労働者の健康や生命が損なわれることのないように配慮する義務。

2.使用者責任・・
 雇用する労働者が業務上で、第三者に損害を与えた場合、その損害を賠償しなればならない。
 2.の使用者責任については、従業員が起こした交通事故で、会社が連帯して責任を負わされることが代表的なケースです。この使用者責任については次回お話します。一般的なものとしては、1.の安全配慮義務は職種や業種を限定することなく事業主に求められるもので、今後さらに必要とされるものです。
 
 
 
●今後必要とされる安全配慮
 
1.長時間の疲労の蓄積と精神疾患の関連性・・

 「うつ」など精神疾患が原因で休業する労働者は増加傾向にある。過重な長時間労働が一定期間持続すれば、身体面・精神面双方に慢性的な過労状況を招き、過労が回復しないままで業務を続けると、精神疾患を発生させる可能性は高い。精神疾患に至らないまでも、注意散漫・過失など業務に少なからず影響がある。可能な限りの休息・休憩・休日を確保し、疲労を蓄積しないようにすることが会社に求められている。
 「うつ」の原因には職場の人間関係や労働者自身の性格によるものもあるが、長時間労働が常態化している業務では労災と認定されるケースが増加している。

2.女性の長時間・深夜労働に対する配慮・・

 男女雇用機会均等法の施行から男性並みの仕事やスキルを持つ女性も増えており、それ自体は歓迎すべきだが、母性保護の観点から一定の配慮は必要である。また、深夜、女性一人で勤務させることや帰宅させることについて常にその安全を確認しなければならない。
 
 
 
 
 このような安全配慮義務を怠り、重大な問題が生じた場合、前述の使用者責任によって多額の損害賠償を請求されることもありえます。また、これは事業主だけが注意することだけでなく、各事業場のリーダーや管理職にも当然、求められるものです。事業主が従業員を直接管理することはできません。部下それぞれの健康状態や疲労具合を認識する、女性に対する一定の配慮をする、より良い職場環境を作ること、などこれからのリーダーや管理職には必要なものです。
 
 
(文責)行政書士   谷口 恵子
 

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