「シリーズ建設(3)」
~変わる建設業~
「NEWS1」
~株主優待制度、17年目で初の減少
「NEWS2」
~残高不足での振替納税不能の場合

シリーズ建設(3) ~変わる建設業~
建設業は、それ自体が大きな変革期を向かえています。今回は、建設業の変わる現状についてお話します。
1、偽装事件・・数年前に発覚した、建築士による構造計算書偽装事件は未だ記憶に新しいと思います。この事件によって、耐震強度不足の建築物が次々と発覚し、業界自体が大打撃を受けました。
激化する市場競争が、低価格を求めるニーズとあいまって、消費者には予想もしない、鉄筋量不足の欠陥建築物を作ってしまう結果を招いたということです。
このメールマガジンで何度かお話しましたが、建築物は、その欠陥を完成後すぐには判明しにくいことが特徴です。手抜き工事であった、粗雑工事であったというのは何年かの使用を経て、初めて分かるもので、それも一般消費者には見分けをつけることは不可能です。
この事件を受けて、政府は、建設行政の改革に乗り出しました。建築基準法の構造基準を厳格にし、この6月には耐震強度偽装の再防止策を盛り込んだ改正建築士法が施行されます。
新しい建築基準法の条件に適合しない建築物は、着工することさえできなくなります。
2、入札制度・・公共工事の受注を希望する許可業者は、経営事項審査を経て競争入札資格を持ち、受注活動を行なっています。
入札制度は、一般競争入札と指名競争入札に大別されます。
これまでは発注者が予め有資格業者から等級や順位に見合った業者を選定し入札に参加させる指名競争入札が主流でした。
実績や信用がある業者を選定することは、不良不適格業者を排除し、発注者にとって一定の意味があったものですが、この指名競争入札は常に不透明さをもった制度として指摘されていました。
複数の入札参加者が相談し入札価格や落札者を決定する【談合】やさらにその談合に発注者である国・地方公共団体が関与する【官製談合】など、事件として発覚する度、賄賂・利益供与の言葉とともにどうしても建設業界の影の部分と負のイメージを印象付けていました。
これら数々の事件を受けて、入札制度の透明性・公平性・客観性を高める改革が始まりました。指名競争入札の原則廃止と一般競争入札の拡大、電子入札の拡大がそれです。
これからは、業者が自ら出向いての紙入札から、事業所と発注者の間でインターネットを通じての電子入札が主流となります。
電子入札が導入されることにより、入札情報(案件・状況・結果)はインターネット上の公開情報となり、手続の透明性が確保される、競争性の向上により結果として工事予算が圧縮できる、発注者・業者側双方の事務が迅速化される・事務コストが削減される、などさまざまな効果が期待されています。
国土交通省は平成13年度から電子入札を始め、主要な地方公共団体は導入の目標年度を設定し、本格導入に移行しています。
バックナンバー
「シリーズ建設(1)~建設業とは」は、4月23日付け
№244に掲載
「シリーズ建設(2)~建設業の特徴」は、5月21日付け
№247に掲載
(文責) 行政書士 谷口 恵子
NEWS1 株主優待制度、17年目で初の減少~~個人株主でも長期保有優遇は増加
商品券や商品割引優待券などを心待ちにする個人株主への株主優待制度そのものを廃止、中止する企業が増えている。株主の、今ハイリターンは望めないもののせめてお中元は欲しいという願いは、寒い夏のお中元になりそうな見通しだ。オフィスビルなどを証券化して投資家に売る不動産証券化市場も急縮小している。
野村インベスター・リレーションズは92年から株主優待制度の実施企業の統計をとっている。最初の92年は251社だったが、右肩上がりに増え続け、08年9月末までに1,064社に達していた。しかし今年3月末時点で1,048社と16社減り、調査開始以来、17年目にして初の減少に転じた。その主な理由は「業績悪化」が22社(07年度5社)、経営統合や倒産などによる「上場廃止」が53社(同36社)と急増している。株主優待は、株主還元という「特典」だが、贈る側の企業は、自社商品現物、ギフトカードや商品割引券、観劇等優待券など、様々な特典に知恵を絞ってきた。数年前までは「いつもと同じサービスでは飽きられる」などと贅沢な悩みを抱えたこともあったが、環境は激変した。
それでも株式を長く持つ「長期保有優遇」制度の方は07年から14社増え48社。安定的な個人株主を優遇したい企業の本音が見える。個人は株式運用に目先の利益を追うか、それとも3年以上は我慢する長期保有優遇を目指すか、個人株主尊重に踊らされず、防衛策をしっかりと固めたい。
NEWS2 残高不足での振替納税不能の場合~~延滞税は法定納期限翌日から計算
国税不服審判所は、残高不足によって本税が振替納税できなかった場合に、納付すべき延滞税の額は、口座振替日の翌日からではなく、法定納期限の翌日から計算すべきだとの判断を示した。
これは、残高不足により口座振替日までに所得税が振替できなかった納税者が、後日、納付はしたが、延滞税を納めるよう税務署から督促状が届いたことから、法定納期限に遡って延滞税が課されるのは納得できず違法であると主張して、督促処分の取消しを求めたものだ。
これに対して審判所は、まず、口座振替期日に口座振替納付がされた場合には口座振替期日が納期限後であっても特に期限内納付としている特例があるにしても、納税者の事情で預金不足等により振替不能となった時はこの特例の適用はなく、原則通り、期限内納付した者との権衡を図るため、本来の納期限から完納される日までの間、延滞税が課されることになると解するのが相当であるとの考えを示した。
その上で、この納税者のケースをみると、口座振替の手続きが行われたものの、納税者が指定した預金残高がその税額に不足していたことから振替納税がされなかったため、後日、納税者が自ら納付したものであり、法定納期限に納付されたものとはみなされないと指摘。結局、法定納期限の翌日から自ら納付した期間に応じた延滞税を納付しなければならないとして、納税者の主張を斥けている。
(文責)ネットファーム 事務局