「時評~上に立つ者の覚悟」
~京都教育大学の学生による集団準強姦事件について。
「NEWS」
~景気本格回復、予測は「1年以上先」
~経済対策の贈与特例をめぐる誤解

上に立つ者の覚悟
京都教育大学の学生による集団準強姦事件が発覚した。報道によると、去る2月25日夜、京都市中京区の居酒屋で行われたコンパで、ビール数杯を飲んで泥酔状態になった女子学生を、コンパ終了後、別の階の空き部屋に連れ込み、6人の男子学生が代わる代わる輪姦したという卑劣な事件である。犯行に及んだ6人のうち一人は犯行を認めているが、他の5人は行為そのものは認めたものの、合意のうえであったと主張しているとのことである。
大学側の対応は、合意があったかどうか不明とし、公然わいせつ事犯とことを矮小化して、6人に対して無期限停学処分にすると共に、居合わせて見学していた数人の学生に対しても訓告処分にしたとのことである。学校側は、被害者である女子学生にはその旨伝えたが、公表もせず、また警察にも通報していなかった。
ことが公になった6月1日、記者会見した寺田光世学長は、「教育が至らなかった」と謝罪したものの、事件を公表もせず、警察への通報もしなかったことについては、「教育的配慮を優先した」との主張を繰り返した。教育的配慮とは何なのだろうか。
寺田学長は、「公然わいせつは6人とも認めているが、同意があったのか、無理矢理だったのか、細かいところは判断できない」と言っているそうだが、売春を生業としている者ならいざ知らず、20歳の女子大学生が多数の者の見ている面前で、複数の者と性的交合に同意することなどあり得ないことさえ寺田学長は考え及ばなかったのか。決してそうではあるまい。
集団準強姦罪は、4年以上の懲役刑である。上限が規定されていないが、有期懲役刑の上限は20年(重犯加算は30年)であり、重大犯罪とされている。それを「公然わいせつ」と矮小化することにより、自分自身の責任をも矮小化しようとする意図が見え見えである。公表しなかった理由も同じ意図からであることは明らかだ。
人の上に立つ者のことを指導者と言い、また、別の言い方では責任者とも言う。指導者は、その職責を遂行するための権限を有するが、権限には必ず責任が伴うからである。責任者が自己の責任を回避しようとすれば、もはや指導者の資格はない。人の上に立つ者は、そのことを深く自覚しなければならない。発生したことの重大性をもわきまえず、自己の責任逃れに汲々としている寺田学長の下で教育を受けている京都教育大学の学生は不幸である。同校の卒業生の大半は学校の先生になるという。教育大学なのだから、当然と言えば当然だが、同校出身の先生から教育を受けなければならない多数の生徒は、この上もなく不幸である。
選ばれて人の上に立つ立場になった者が嬉しい気持ちは分かる。しかし、ただ嬉しいだけで、責任の重さに思い至らない者は不幸である。なぜなら、その人は元々上に立つ資格のない人であり、いずれ身を誤るからである。
人は危機にひんしたとき、いかに対処するかでその真価が現れる。人の上に立つ者が対処を過てば、自分自身の身のみならず、多くの人に災いを及ぼすのである。心すべきであろう。自己の責任逃れに汲々としているようでは、とうてい正しい判断も対処もできるはずがない。従って、人の上に立つ者は、いつでも責任を取って身を捨てる覚悟がなければならないのである。それがいやなら、人の上に立つ立場になるべきではない。それがみんなの幸せのためになる。
(文責)行政書士 古田 嘉人
NEWS1 景気本格回復、予測は「1年以上先」 ~サラリーマンの26%は「良くなる」
景気悪化はGDPの実質成長率の歴史的マイナスで証明された。次の2つの調査も記録的な結果となった。
日本経団連調査の大手企業の夏の賞与は会社員一人当たり約75万円で、50年前に始めた調査開始以来、最大の減少率となった。連合総合生活開発研究所が今年4月時点調査で「1年後の景気」が「良くなる」と答えた組合員は25.9%。「悪くなる」(24.6%)を上回った。「1年後の賃金」では34.1%が「減る」と答え、調査開始以来で最も多かった。
エコノミストのGDP予測は今年の4~6月期以降持ち直すとの見方が大勢で、1~3月期には大底を打ったとの楽観視が、連合の「景気が良くなる」との期待につながったともいえる。
民間調査機関は「景気回復時期」をいつとみているのか。野村証券金融経済研究所は「10年後半以降」とし、「設備・雇用の削減が今後本格化し、調整局面は1年程度続く」とみる。日本総研は「11年以降」で、「消費低迷の深刻化で夏以降1年程度は底ばい状態が続く」。
大和総研は「10年後半以降」で「当分、景気対策効果で+効果はあるが、来年は反動で-もある」。第一生命経済研究所は「本格回復は11年以降」で、「公共投資効果で、今後1年程度は+成長が続く」。
この他、ニッセイ基礎研、三菱総研、農林中金総研、みずほ総研など、大方は「本格回復には1年以上かかる」と予測した。
NEWS2 経済対策の贈与特例をめぐる誤解 ~非課税枠はあくまで500万円まで
経済危機対策関連法案は、すでに衆院で可決され現在参院で審議中だが、参院で否決されても憲法の規定による「60日ルール」により7月中には再可決される見込みだ。
追加減税法案には、500万円までの住宅取得資金は非課税となる贈与の特例が盛り込まれている。この特例は、暦年課税(非課税枠:年110万円)または相続時精算課税(同:住宅の場合は3,500万円)の非課税枠に上乗せできるが、誤解も少なくない。
贈与税の非課税枠500万円は今年と来年の2年間を通じて上乗せが可能であるが、例えば、2年間に暦年課税に上乗せした場合、実父母と実祖父母の4人から500万円ずつ贈与を受ければ2,220万円まで非課税となると考える向きもある。しかし、非課税枠は
あくまでも500万円までなので注意したい。
また、相続時精算課税制度は父母からの贈与に限られるため、祖父母からの贈与の場合は暦年課税に上乗せしての適用に限られる。
一方、相続時精算課税を適用した場合、従来の非課税枠と合わせて4,000万円まで非課税となるが、相続時点で4,000万円まるまるが課税価格となると考え、暦年課税を適用したほうが有利とみる向きもある。
しかし、「贈与によって取得した住宅取得等資金のうち500万円までの金額については、贈与税の課税価格に算入しない」と規定されていることから、精算課税で課税価格に取り込まれるのは3,500万円だけとなる。
(文責)ネットファーム 事務局