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vol.249 「審査請求料の納付繰延制度/現物出資による所有権移転」 2009.06.04
「審査請求料の納付繰延制度」
 ~平成21年4月1日以降にする出願審査請求については、出願審査請求の日から1年間、審査請求料の納付を繰延することができるようになりました。

「現物出資による所有権移転」
 ~会社の設立又は募集株式の発行(増資)をするにつき、不動産を現物出資する場合 の登記手続きについて
審査請求料の納付繰延制度
(審査請求書の提出日から1年間、審査請求料の納付を繰延することができます。)
 
1.はじめに
 
 特許を受けるためには、特許出願をし、特許庁の審査を受ける必要がありますが、特許法は出願審査請求制度を採用し、特許出願とは別に、出願審査請求があった出願のみを審査対象としています。真に権利化を希望する特許出願のみを審査対象とすることにより、審査件数を低減し、審査期間を短縮するためです。
 従来、出願審査請求に際しては審査請求料を特許庁に納付する必要がありましたが、審査請求料は、¥168,600+¥4,000×請求項の数であり、たとえば、特許請求の範囲に記載した請求項数が5項の場合、上の式により、¥188,600となり、かなり高額となります。
 そこで、最近の景気の悪化を配慮し、金銭的な負担を少しでも軽減するため、平成21年4月1日以降にする出願審査請求については、出願審査請求の日から1年間、審査請求料の納付を繰延することができるようになりました。
 
2.審査請求料の納付繰延制度
 
(1)審査請求料の納付繰延の意思表示を出願審査請求書に記載することにより、適用を受けることができます。繰延られた審査請求料の納付は、繰延期間(1年間)内に、手続補正書を提出することにより行います。
 
(2)繰延制度の適用の対象
1)出願審査請求は、出願人以外の方もすることができますが、審査請求料の繰延の意思表示は、出願人以外の方もすることができますが、審査請求料の繰延の意思表示は、出願人のみすることができます。
2)早期審査の申請をする場合には適用を受けることができません。早期審査の申請の条件として、審査請求料の納付が必要なためです。
3)国際出願の国際調査報告を作成するために、国内出願の審査結果を利用する場合、国内出願の審査請求には適用を受けることができません。
4)審査請求料の軽減申請をする場合にも、審査請求料の納付の繰延が可能です。
 
(3)審査請求料の納付繰延制度は、平成21年4月1日から2年間施行する予定です。
 
(4)審査請求料の納付の繰延をしても審査が繰延られることはありません。原則として、審査は、審査請求書の提出順で行われます。
 
さらに詳細をお知りになりたい方は、ご連絡下さい。
 
(文責)弁理士    川瀬 裕之
 
現物出資による所有権移転
~会社の設立又は募集株式の発行(増資)をするにつき、不動産を現物出資する場合の登記手続きについて~
 
出資者
設立・増資
甲 →→→→→→ A会社
現物出資
 
 会社の設立又は増資をする場合、不動産を現物出資することができます。不動産の現物出資は、会社の種類を問いません。 現物出資をするについて株式会社の場合には、会社法の規定により、原則として検査役の調査を受けなければなりません。
 ただし、一定の少額現物出資の場合又は弁護士の証明がある場合には検査役の調査を要しません。
 
 
1.会社の設立・増資と不動産の現物出資
 
(1)払込期日における現物出資財産の給付現物出資とは、金銭以外の財産をもってする出資のことをいう。不動産の現物出資は、株式会社、合資会社又は合名会社のいずれを問わず行うことができます。 株式会社の場合は、設立時募集株式の引受人の出資は金銭に限られていますが、会社設立に際しての現物出資者は発起人のみで、増資時についてはこのような制限はありません。
 株式会社の設立若しくは増資に際して現物出資をする場合には、定められた払込期日に目的不動産の全部を給付することを要します。ただし、設立の場合にあっては、所有権移転の対抗要件である登記は会社設立後にすればよい。この理由は、設立登記前にあっては会社名義にて登記をすることが不可能であるため、一旦発起人の名義にて登記をし、設立登記後にこの不動産を更に会社に所有権移転させるという煩雑さと二重の経費を要することを回避するためです。なお、会社法34条は払込期日に現物出資財産の全部を給付することを定めているから、所有権移転登記に必要な登記識別情報/登記済証、委任状、印鑑証明書、その他の書類は払込期日に発起人代表に交付されていなければならない。
 
 
 
(2)現物出資財産の定款への記載
 
ア.株式会社の場合
設立する際に現物出資があるときは、現物出資者の氏名・目的財産・この価格、これに対して与える株式数などを定款に記載又は記録することを要する。ただし、株式会社の増資の場合には定款に記載することを要しない。
 
イ.合資会社・合名会社の場合
定款には、社員の出資の目的、その価格など出資に関する事項を記載することを要する。
 
 
 
 
2.抵当権付きの不動産の現物出資
 
不動産に抵当権が設定されている場合であっても、原則としてこれを現物出資の目的財産とすることは可能であります。例えば、株式会社を設立するに際して、債権額2,000万円(残元本は1,000万円)の抵当権設定登記がされている不動産を現物出資の目的財産とし、この価格を定款で2,000万円と定めた場合、この定款に定めた価格について、不動産鑑定士の鑑定評価に基づき、当該現物出資に関する定款の定めが相当である旨の弁護士の証明が添付されていれば、当該設立登記の申請は受理されます。
なお、この証明をするにつき、現物出資者において残元本の弁済の能力あることを考慮のうえ、判断することになるものと思料します。
 
 
 
 
3.検査役の調査の要否
 
株式会社の設立若しくは増資をするに際して現物出資がある場合は、原則として検査役の調査を受けなければならない。ただし、不動産の現物出資につき、次の場合には検査役の調査を要しない。
(1)定款に定めた現物出資及び財産引受けの目的財産の価格の総額が、500万円以下のとき。
 
(2)定款に定めた現物出資事項が相当であることにつき、不動産鑑定士の鑑定評価に基づき、弁護士の証明があるとき。
 
 
登記申請書の例 <登記申請書>
 
登記の目的所有権移転
原   因平成〇〇年〇〇月〇日現物出資
権 利 者阪市〇〇区〇〇町一丁目1番1号
A 株式会社
義 務 者大阪市〇〇区〇〇町二丁目2番2号
添付書類登記原因証明情報 登記識別情報/登記済書 印鑑証明書
代理権限証書住所証明書 規則附則第15条第2項の書面
平成  年  月  日〇〇法務局〇〇出張所  御中
代理人大阪市〇〇区〇〇町一丁目3番3号
司法書士00  00
(連絡先 06-0000-0000)
課税価格金0000万円
登録免許税金  000円 *注
不動産の表示
 
*注    課税価格の1,000分の20.
(文責)司法書士  龍見  康務
 

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