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vol.245 「社労士通信」 2009.04.30
「情報通1」
 ~改正雇用保険法が成立、3月31日に施行~

「情報通2」
 ~育児・介護休業法などの改正案を閣議決定~

「助成金情報」
~残業削減雇用維持奨励金~

「労働・社会保険 Q&A」
~育児休業中の社員の復職を認めないことはできますか?~
「情報通1」 ~改正雇用保険法が成立、3月31日に施行~
 
非正規労働者への支援強化を目的とする改正雇用保険法が3月27日の参院本会議で可決、成立しました。年度内に失職する人にも適用されるよう、3月31日に施行されました。保険の加入条件の緩和(雇用見込みを「1年以上」から「6ヵ月以上」)、再就職困難者への失業給付日数の延長(60日分)、雇用保険料率の引下げ(1.2%から0.8%)などを盛り込んでいます。
 
 
 
 
「情報通2」 ~育児・介護休業法などの改正案を閣議決定~
 
政府は4月21日、育児・介護休業法の改正案を閣議決定しました。主な改正内容は、
(1)3歳未満の子どもを持つ従業員への短時間勤務制度の導入・残業免除の義務化
(2)専業主婦(夫)の配偶者を持つ従業員も育児休業取得を可能とする
(3)介護休暇制度の新設
(4)勧告に従わない企業名の公表など、となっています。

詳細は、http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/h0421-1.html
 
「助成金情報」 ~残業削減雇用維持奨励金~
 
 
不況の影響により大幅な減産となり、事業活動の縮小が余儀なくされた企業に対する助成制度としては、すでに「雇用調整助成金」等がありますが、このたび、同じような目的から、新たに「残業削減雇用維持奨励金」が創設されました。この奨励金は、従業員の残業を削減することによって有期契約労働者や派遣労働者の解雇を回避し、雇用の安定(雇用の維持)を図ることが目的とされています。
 
【主な受給の要件】
最近3ヵ月における売上高(または生産量等)の月の平均値がその直前の3ヵ月(または前年同期)と比べて「5%以上減少」している事業主に対し、
 
1.判定期間における事業所労働者1人1月あたりの残業時間が、比較期間の平均値と比べて2分の1以上かつ5時間以上削減されていること。
2.判定期間の末日における事業所労働者数が、比較期間の月平均事業所労働者 数と比べて5分の4以上であること。
3.計画届の提出日から判定期間の末日までの間に事業所労働者の解雇等(雇止め、派遣契約の中途解除等も含まれる)を行っていないこと。
 
【受給額】
それぞれの判定期間の末日時点での有期契約労働者・派遣労働者1人につき、判定期間ごとに以下の金額が支給されます。なお、上限は、有期契約労働者・派遣労働者それぞれ100人とされており、残業削減計画届の提出日の翌日以降に雇い入れられた人などは対象に はなりません。
 
・有期契約労働者…15万円(年間30万円)
・派遣労働者…22万5,000円(年間45万円)
 
【届 出】
この奨励金を受給するためには、労働組合等との間に残業削減に関する書面による協定を締結し、協定書の写しを添えた残業削減計画届を事前に提出する必要があります。
この奨励金の支給は、事業主の指定した対象期間(1年間)の初日から6ヵ月ごとに区分した判定期間ごとに2回に分けて行い、支給申請期間は当該判定期間の末日の翌日から起算して1ヵ月となります。
 
「労働・社会保険 Q&A」 ~育児休業中の社員の復職を認めないことはできますか?~
 
 
≪相談内容≫
 
 当社の従業員で、現在育児休業中の者がいます。最近の不況で業績も下がり、現在、新規採用も見合わせ、これ以上の人員を抱えていくのも無理な状況です。そこで、育児休業中の者の復職を拒否しようと考えています。また、業務内容を一新し、専門的な知識も必要となり、育児休業中の者が復職しても、業務対応が難しい状況です。復職を認めず解雇しても問題ないでしょうか?
 
≪回答≫
 
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の第10条には、「事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と定められています。これは、育児休業を取得中の者に対して、社員が育児休業を申し出、または、取得したことを理由に解雇することを禁止しているものです。よって、御社が行おうとしている解雇処分は無効となる可能性が高く、復職を認めざるを得ないでしょう。

 一方で、以下のような考え方もできます。ご質問内容からだけでは判断致しかねますが、御社の置かれている経営状況が厳しく、いわゆる整理解雇として、「合理的な基準」と「明確な選定基準」 において、育児休業中の者が整理解雇の対象者となっている場合は、直ちに解雇が無効という訳でもありません。これは、厚生労働省の指針で、「法第10条の規定により禁止される解雇その他不利益な取扱いとは、労働者が育児休業の申出又は取得をしたこととの間に因果関係がある行為であることを示したものであり、育児休業の期間中に行われる解雇等がすべて禁止されるものではないこと。」と示されているからです。

 しかしながら、育児休業を取得し、その間、業務から離れているという理由だけで能力が低いという判断をし、解雇の対象者としてしまうのは、明らかに育児休業を取得したことと因果関係が認められますので、やはり、復職を認めない(解雇する)ことは、難しいと 思われます。

 育児(介護)休業中の労働者に対して、事業主が講ずべき措置として、「育児休業及び介護休業後における就業が円滑に行われるようにするため、育児休業又は介護休業をする労働者が雇用される事業所における労働者の配置その他の雇用管理、育児休業又は介護休業 をしている労働者の職業能力の開発及び向上等に関して、必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と定められていますので、職場復帰のために専門知識が必要であるとわかってのでしたら、必要な教育訓練の機会を与えるなどの措置を講ずるべきでしょう。
 
(文責)社会保険労務士   大津 賢一郎
 

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