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vol.350 「労働者派遣事業の許可について」 2011.7.14
「労働者派遣事業の許可について」

~現在の労働者派遣制度について~

「労働者派遣事業の許可について」
 
 
 

 今回から、現在の労働者派遣についてお話ししようと思います。
3年前のリーマンショックによる不況時に、製造業を中心とした大手企業による「 派遣切り」が社会問題となって新聞紙上を賑わせましたので、労働者派遣について は、悪いイメージが先行するようになり、派遣労働者は非正規労働者の代表や格差 社会の典型と見なされています。法改正を含め、派遣事業を取り巻く環境も変化し ていると考えられます。
そもそも労働者派遣はどのようなもので、法的な位置づけはどうなっているのでし ょうか。

人材派遣とは

労働者派遣事業(人材派遣業)は、《一時的に労働力を必要とする企業の指揮命令 を受けて、自己の雇用する労働者を従事させること》を業として行う事業をいいま す。
労働者派遣をする場合、人材派遣会社(派遣元)と派遣先の企業が派遣契約を 結び、人材派遣会社(派遣元)は、派遣労働者との間で労働契約を締結したうえで、 労働力を求める企業(派遣先)に派遣され、指示された業務に従事させます。
江戸時代には口入屋という人材斡旋業も存在し、土木工事の人夫出しなどを含める とその歴史はかなり古いことが分かります。
名称や形態を変えながらも他のために 労働者を労働させる、いわゆる間接雇用では労働者は常に劣悪な労働環境の下にあ りましたので、戦後は職業安定法によって労働者供給事業を全面的に禁止しました。
その労働者供給事業の中でも供給元と労働者の間に雇用関係があり、供給先と労働 者との間に指揮命令関係のみ生じさせる雇用形態のみを労働者派遣として種々の規 制のもとに適法に行えることになったものです。
禁止の例外が労働者派遣として法 整備されたのです。

業務請負との違い

もともと請負とは民法上の請負契約に基づき、製造、営業など業務を一括して請け 負う業務形態をいいます。労働者派遣法の制定の前までは、請負業者が自社の労働 者を自ら指揮命令するといった形態をとっていたのですが、労働者派遣と請負とは 派遣法の制定によって明確に区分されるようになりました。
労働者派遣が、派遣先企業で業務の遂行について具体的な指揮命令を受けるのに対 し、業務請負では、請負労働者は雇用関係を結ぶ企業(請負業者)と注文主の企業 との間で締結した請負契約にもとづいて労働を提供します。
そのため、労働者の指 揮命令権は注文主の企業ではなく、あくまでも請負企業にあります。
労働者派遣について回っているのが、「偽装請負」という問題です。
本来は、派遣 であるのに、請負として、労働者派遣法の適用を受ける必要があるのに、すなわち 派遣事業の許認可を申請せずに業務を行っているものです。
平成21年に許可基準の 見直しがあり、一般労働者派遣事業の許可基準のうちの財産的基礎に係る要件が引 き上げられ、新規の許可や許可更新について厳しいものになりましたので、「偽装 請負」はやはり増加する傾向になると思われます。

 
 
 
 
(文責) 行政書士・社会保険労務士   谷 口 恵 子
 
 
 

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