労働者派遣に関連した職業紹介事業についてお話します。そして話題
<1>少額硬貨の流通量は減少傾向 ~カード・電子マネー普及の影響か
<2>事業承継税制、80%納税猶予制度 ~相続税課税方式の見直しは見送り
について書かれています。

「1. 労働者派遣事業とその周辺 (1)」
労働者派遣事業について、以前数回に分けてお話ししてきましたが、今回は、労働
者派遣に関連した職業紹介事業についてお話します。
1.有料職業紹介事業
職業紹介とは、職業安定法では、求人及び求職の申込みを受け、求人者(事業者)と
求職者(労働者)との間の雇用関係の成立をあっせんすることと定義されています。職
業紹介には、職業紹介に関し手数料や報酬を徴収する有料職業紹介と徴収しない無料職
業紹介に分かれ、厚生労働大臣に許可を受ける、若しくは届出ることによって行うこと
ができます。人材派遣会社は、前者の有料職業紹介事業として許可を受けている場合が
多く、兼業で事業を運営しています。人材派遣と職業紹介との違いは、人材派遣が人材
派遣会社(派遣元)で雇用されている労働者を派遣するのに対し、有料職業紹介では紹
介することだけで、雇用するのはその紹介を受けた会社であるということです。取り扱
うことができる職業は、港湾運送業務、建設業務など禁止された職業を除いて、すべて
の職業で認められています。
2.有料職業紹介事業者が徴収できる手数料
有料職業紹介事業者が徴収できる手数料は、上限制手数料と届出制手数料に分かれ、
これ以外にいかなる名義でも手数料や報酬を受けてはいけないことになっています。
求職者と求人者(事業主)との間に雇用関係が成立した場合(求人の申込みを受理し
た以降)には、支払わせた賃金額をもとに、手数料が求人者から有料職業紹介事業者
に対して支払われます。
上限制手数料の場合は、法が定める額を限度(支払われた賃金額の100分の10.2~14.2)
として徴収できるのに対し、届出制手数料は、許可を申請する際に予め届出ることによ
って、有料職業紹介事業者が設定した手数料額を徴収することができます。また、求人
の申込みを受理した場合や家政婦やモデル・マネキンなど一定の職業に係る求職者から
休職の申込みを受けた場合につき1件ごとに上限内の受付手数料を徴収することができます。
3.許可要件
有料職業紹介事業の許可要件は、事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有する
こと・個人情報を適正に管理し、求人者と求職者の秘密を守るための必要な措置が講じ
られていること・事業を適正に遂行する能力を有することとされています。3つめの事
業を適正に遂行する能力の中に、事業所に関する要件や「職業紹介責任者講習」を受講
した責任者が専任されている要件が含まれています。職業紹介責任者と一般労働者派遣
業の派遣元管理責任者とは兼任することができます。有料職業紹介事業の許可要件は、
一般労働者派遣業のそれと類似しているのが特徴です。
(文責)行政書士・社会保険労務士 谷 口 恵 子
「話題」
<1>少額硬貨の流通量は減少傾向~~カード・電子マネー普及の影響か
50円以下(10円、1円)の少額硬貨の流通量が08年3月末まで5年連続で低下して
いる。500円や100円硬貨もやや減っているとはいえ、供給量はプラスを維持している。
しかし50円以下の少額硬貨がマイナスであり、全体でも硬貨流通量は2年連続低下傾向にある。
なぜ少額硬貨に人気がなくなってきているのだろうか。お金を大事にする倹約精神や
「塵も積もれば山となる」という貯蓄心、さらには「御縁(5円)があるように」と願を
掛ける美徳心などはどこかへ消えてしまったのだろうか。
専門家は、その主因はクレジットカードや電子マネーの登場にあると指摘する。コン
ビニやスーパーで、消費税が加わり釣銭に出る1円玉などの小銭が邪魔になったという
意見もある。また、レジで紙幣を出し1円や5円玉を出す煩わしさから避けたいという
考えの持ち主が多い中高年男性の買物が増えた、との見方もあり、さまざまな原因が考
えられるが、釣銭の硬貨は男性ほど自宅に死蔵しがちと小売店はいう。
最近の傾向は、お金そのものを粗末に扱う人が増えたとコンビニは見る。小銭をカウ
ンターに投げるように扱う人、募金箱に小銭をゴミのように突っ込む人、ポケットから
くちゃくちゃに丸めた紙幣を出す人など、感謝、礼節もなくなっているのではないか、
と嘆く声も少なくない。「1円を笑う者は1円に泣く」。大不況の09年、心したいもの
である。
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<2>事業承継税制、80%納税猶予制度~~相続税課税方式の見直しは見送り
2009年度税制改正においては、中小企業経営承継円滑化法に基づく事業承継税制の創
設が盛り込まれた。経営承継相続人が相続などにより経済産業相の認定を受けた非上場
会社の議決権株式を取得した場合には、その株式に係る課税価格の80%相当の相続税が
納税猶予される。対象が中小企業全般に拡大された同制度は、経営承継円滑化法の施行
日である昨年10月1日以後の相続等に遡って適用される。
当初は、納税猶予制度を適用すると、その恩恵が経営承継相続人だけでなく他の相続
人にも及ぶことから、相続税の課税方式の変更が予定されていたが、現下の経済情勢を
考慮し、見送られた。
猶予税額の計算方法は、まず、相続税の納税猶予の適用がないものとして、通常の相
続税額の計算を行い、各相続人の相続税額を算出する。経営承継相続人以外の相続人の
相続税額は、この額となる。
次に、経営承継相続人以外の相続人の取得財産は不変とした上で、経営承継相続人が、
特例適用株式等(100%)のみを相続するものとして計算した場合の相続税額と、特例
適用株式等(20%)のみを相続するものとして計算した場合の経営承継相続人の相続税
額の差額が、経営承継相続人の猶予税額とされる。
上記の通常の相続税額の計算で算出した相続税額から、この猶予税額を控除した額が
経営承継相続人の納付税額となる。
(文責)ネットファーム 事務局