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vol.226 「商標権の侵害とならない場合(その4)」 2008.12.11
商標権の侵害とならない場合(その4) (商標権の効力が及ばない範囲)について解説します。そして、「不安の時代を超えるには」について書かれています。
「商標権の侵害とならない場合(その4) (商標権の効力が及ばない範囲」
1.はじめに
商標権は独占排他権であるため、正当な権原のない第三者が登録商標をその指定商品等に
使用すると、商標権の侵害となるのが原則ですが、一定の場合は、公益上の理由により商
標権の効力が及ばないこととし、第三者の自由な商標の使用が認められます。

2.次の商標には商標権の効力が及ばず、商標権の侵害とはなりません(商標法26条)。
(1)自己の氏名、名称またはこれらの略称等を普通の方法で表示する商標
これらの商標は、人格権保護の観点から、不登録事由(商標法4条1項8号)になってい
ますが、過誤登録された場合に、本人の使用を確保する必要があるため、商標権の効力を
制限しています。特に、商標登録無効審判請求の除斥期間経過後に有効です。なお、名称
には会社の商号等が含まれるため、自分の会社の社名を普通の方法で使用しても、他人の
商標権の侵害とはなりませんが、社名の表示方法として普通であることが必要です。たと
えば商品の包装箱の正面に大きく社名を表示したような使用態様の場合には、社名の表示
方法として普通ではないため、商標権の効力は制限されず、原則通り商標権の侵害となり
ます。下記の3をご参照下さい。
(2)その商品等の普通名称、産地、販売地、品質等を普通の方法で表示する商標
取引上、不可欠な商標の使用を何人にも認める必要があるためです。
(3)その商品等の慣用商標
同業者の自由な使用を認める必要があるからです。
慣用商標とは、同業者が同種類の商品等に普通に使用するようになったため、識別力を喪
失した商標であり、たとえば清酒についての「男山」等があります。
(4)商品等の形状であって、商品等の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからな
る商標
このような商標は、生産・販売の自由を確保するため、不登録事由(商標法4条1項18号)
になっていますが、過誤登録された場合に備えて、商標権の効力を制限しています。

3.「山形屋海苔店事件」(東京地裁 昭和57年6月16日 無体集14-2-418)
使用商標は、使用者の商号であり、本人の名称を表示する商標である。しかし、使用商標は、
使用商標が附された罐、瓶または箱の大きさと対比して相当程度大きく表示され、かつ、需
要者の注意を惹きやすい場所に表示され、特徴のある崩れ書きの書体により表示されている。
したがって、商号として「普通の方法で表示する商標」とはいえないから、商標権の侵害に
該当すると判示した。

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  本シリーズ「商標権の侵害とならない場合」
(その1)9月13日 No.213 (その2)10月8日 No.217
(その3) 11月12日 No.222

(文責)弁理士    川 瀬  裕 之
 
「不安の時代を超えるには」
  最近の時代状況は1930年代に酷似してきたという。
 世界的な経済危機、不況、政治の混乱、家庭の不和、そして、自然災害。そんな民衆が無力化
した時代に、軍部が台頭し、ドイツやイタリヤではナチズムが起こり、2・26事件や5・15事件を引
き起こし、他国への侵略を開始し、結局は第2次世界大戦まで行き着いてしまったのである。
歴史はさておき、昨今の日本でも狂気の事件が多発し、人々の表情から笑顔が消えて久しく、
道行く人々は怒りと無力感に満ちているように思うのである。
その表情の暗さが、輪を掛けて世の中を暗く空虚にし、不安が不安を増幅する構造になってき
たのである。
人間の顔の表情は基本的に、喜び、悲しみ、怒り、驚き、不安、嫌悪――わずか6パターンに
大別されるという。それも世界共通だという。意識して表情をつくることはできるが、普通、意
識しないでいることが多いのではないだろうか。よく不満や文句が「顔に出る」という。6種類
の表情のうち、なんと4種類が怒りなど負のイメージである。よっぽど創意工夫しないと、人間
は無意識的には負に突き進んでしまうのである。人類史で大弾圧を受けてきたユダヤの言葉に、
「人間の中でも、賢い人ほど、よく笑う」とある。「ユーモア」や「笑い」は、人間の強さを引
き出す力となってきたのである。
経済的に厳しい時代であるが、“どうしたら金が儲かるか”を考える前に、
“どうしたら喜びと笑いが生れるか”を考えることが何よりも大事であると思う。親子一家の喜
びと笑い、地域の喜びと笑い、会社の喜びと笑い等々。自分の今ある位置でどう創出するかであ
る。信頼できる家族や友人と語り合えば、悲しみ、怒り、不安、嫌悪は半減し、逆に喜び、驚き
は倍増する。その逆は一直線に奈落の底を目指すだけである。今、高視聴率の「天彰院篤姫」の
モチーフは、徳川一家というよりは「家族と人間関係」でもある。殺伐とした世であるが故に人々
の心に響くのかも知れない。
笑顔や喜びは伝染し、幸福を呼ぶという。人に尽くせば、新たな命の力がわく。だから、世相や
世間や相手がどういう態度であっても、カラッと笑顔で話しかける心の余裕を持ちたい。古代イン
ドでは、聖人の意味するところとは、「人々に自ら声をかけ、笑顔を送る人」であった。正に人類
の英知である。
 世の中が暗ければ暗いほど、一人一人が笑顔と喜びを常に身につけておきたい。何しろ原価は
ゼロであるから。

 
(文責)事務局      山 本  正

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