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vol.225 「相続税の仕組み」 2008.12.4
相続税の仕組みについて解説します。そして、時評は、国際貢献と我が国の安全確保について書かれています。
「相続税の仕組み」
相続税の仕組み
相続税は、相続の開始に伴ない、被相続人から相続又は遺贈(死因贈与を含む)により取得した
財産に対して、その相続又は遺贈により取得した個人に課税されるものです。従って法人に対す
る遺贈や贈与に対しては相続税や贈与税は課税されない。
 相続税の計算方法は、相続又は遺贈により各相続人及び受遺者が取得した財産を相続開始時点に
おける時価で評価し、その評価額の合計額(「課税価格」という)から遺産に係る基礎控除額
(5,000万円+1,000万円×法定相続人数)を控除し、その控除後の金額を各法定相続人
が法定相続分取得したものとして、その各法定相続人毎に相続税額を計算し、その各法定相続人毎
の相続税額を合計したもの(「相続税の総額」という)を実際に相続人及び受遺者が取得した財産の
割合で按分して、各人が納付すべき相続税額を計算する仕組みです。
 前記「法定相続人」とは、相続の放棄をした者があっても、その放棄が無いとした場合の相続人
をいい、被相続人が養子がある場合には、「法定相続人も数」に含める養子の数については、被相
続人に実子がある場合1人とし、被相続人に実子が無い場合2人までとされている。
 なお、相続人数又は受遺者で被相続人の一親等の血族(当該被相続人の直系卑属が相続開始以前
に死亡し、又は相続権を失ったため、代襲して相続人となった当該被相続人の直系卑属を含む)及
び配偶者以外の者に関しては、その者の上記按分税額にさらに2割相当額が加算されます。また、
当該被相続人の養子となっている直系卑属(被増続人の孫)に関してもこの2割加算の適用があり
ます。
 相続税の税率は以下の〔相続税の速算表〕のとおりで、遺産にかかる基礎控除後の金額全体では
なく、法定相続分で按分した後の金額に対応する税率を適用して計算することになります。

〔相続税の速算表〕
+--------------------------------------------------------------+
| 法定相続分で按分後の金額 |  税  率  |  速算控除額 |
+--------------------------------------------------------------+
|  1,000万円以下      |  1 0 % |     ―  |
+--------------------------------------------------------------+
|  3,000万円以下      |  1 5 % |    50万円  |
+--------------------------------------------------------------+
|  5,000万円以下      |  2 0 % |   200万円  |
+--------------------------------------------------------------+
|  1億円以下        |  3 0 % |   700万円  |
+--------------------------------------------------------------+
|  3億円以下        |  4 0 % |  1,700万円  |
+--------------------------------------------------------------+
|  3億円超         |  5 0 % |  4,700万円  |
+--------------------------------------------------------------+
(文責)司法書士    龍 見  康 務
 
「時評~~国際貢献と我が国の安全確保」
 去る11月15日、東アフリカのソマリア沖で、サウジアラビア船籍の大型タンカーが海賊に
乗っ取られて連れ去られた。海賊は乗組員25人の身代金として、2,500万ドルを要求してい
る。
 経済の黒い血、石油。その石油が日本ではほとんど産出しない。日本は石油の90%近くを中
東に依存している。中東の和平なくして、日本の国は成り立たないのである。
 ソマリア沖では海賊による船舶襲撃が、今年既に100件も発生しており、世界で最も危険な
海域となっている。アメリカ、イギリス等10数カ国が、海域の警戒活動を展開し、海上の安全
確保に努めているが、日本が知らぬ顔をしていて良いはずがない。日本でも国際貢献のため、海
上自衛隊を派遣すべきではないかと検討されてはいるようだが、憲法との絡みで難しいと言う。
 世は流れ、世は移り行く。一時も一所にとどまることはない。アメリカでは、変革を標榜する
オバマ大統領が出現する。戦後60数年、かたくなに守り続けてきた日本国憲法も、変わらざる
を得ないであろう。いや、既に中身は変わっているのではないか。法律の解釈は一度決めたら変
えられないという絶対的なものではない。世の中の変化にそぐわなくなったら、変化に沿うよう
に、その解釈も変わるべきものであろう。
 日本国憲法には「前文」というものがある。この前文は、憲法の精神を表したものである。従っ
て、憲法の各条文の解釈は、当然この「前文」の趣旨に沿ったものでなければならない。念のた
め、次に日本国憲法の「前文」を全文紹介する。

「日本国憲法(前文) 
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫の
ために、諸国民との協和による成果と、我が国全土に渡って自由のもたらす恵沢を確保し、政府
の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民
に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるもので
あって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民が
これを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。
われわれは、これに反する一切の憲法、法令および詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するので
あって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しようと決意し
た。われわれは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようとつとめ
ている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとし
く恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、
政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と
対等関係に立とうとする各国の責務であると信じる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」

 偏見を持たずに、素直に読んでいただきたい。中程に、我が国がいかにして「その安全と生存」
を保持するかと言うことが謳われている。すなわち、
「日本国民は、・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しよ
うと決意した。」と書かれている。はっきり言えば、「平和を愛する諸国民に命を預けます」と言
っているのである。
 さて、ここで見落としてはならないのは、「平和を愛する諸国民」と言っていることである。ま
さか「平和を愛さない諸国民」、すなわち、我が国に敵対する諸国民に命を預ける等と言うことは
ありえない。このことをふまえて第9条を見直せば、我が国が戦争を放棄したのは、「平和を愛す
る諸国民」に対してだけであることが自ずと明確になるであろう。
 自衛隊は軍隊ではないとか、海外での武器の使用は正当防衛と緊急避難に限られるとか、集団
的自衛権は認められないとか、訳の分らないことを言う必要はなくなるのではなかろうか。
 
(文責)行政書士   古 田  嘉 人

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