商標権の侵害とならない場合今回は、ノベルティ商品について解説します。変革(Change)を旗印に、YES WE CAN と民衆を煽り立て、アメリカ大統領選を戦ったバラク
オバマ氏が大勝した。

商標権の侵害とならない場合(その3)(ノベルティ商品の場合)
1.はじめに
正当な権原のない第三者が登録商標をその指定商品等に使用すると、商標権の侵害となるの
が原則ですが、商標の使用の形態によっては侵害とならない場合があります。今回は、ノベル
ティ商品について解説します。
2.ノベルティ商品とは
ノベルティ商品とは、宣伝広告や販売促進を目的として無償で配布される物品です。ノベル
ティ商品は、それ自体の販売を目的として配布されるものではなく、広告媒体です。たとえば、
大阪の天神祭をPRするために無償で配布されるウチワ、車の販売促進のために配布される携
帯電話用のストラップ、ぬいぐるみ、ボールペン、キーホルダー等のオリジナルグッズがノベ
ルティ商品に該当します。ノベルティ商品に、イベント名、商標、電話番号等を入れ、顧客の
目に露出させることにより、認知度のアップ、新商品の告知、顧客の誘導等の効果が得られ、
特に、ターゲットとなる顧客の好みに合わせたグッズを選択すると、非常に高い効果が得られ
ます。たとえば、子供がターゲットである場合には、人気のマンガキャラクターを表したグッ
ズ、若い女性がターゲットである場合には、油取り紙等を選択すると、大きな効果が上がります。
このように、ノベルティ商品は、宣伝広告や販売促進を目的として無償で配布される物品です
が、商標法上の「商品」は、有償取引の対象となるものでなければならないため、ノベルティ商
品は、商標法上の商品には該当しません。したがって、「うちわ」を指定商品として商標「天神
祭」について商標権を有する商標権者が居たとして、天神祭のときに、「天神祭」と大きく表した
「ウチワ」をお祭りのスタッフが無償配布しても、この「うちわ」はノベルティ商品であり、商標
法上の「商品」に該当しないため、指定商品について登録商標を使用したことにはならず、商標権
の侵害とはなりません。
3.「BOSS事件」(大阪地裁 昭和62年8月26日 無体集19-2-268)
原告は、被服等を指定商品として商標「BOSS」について商標権を有していた。これに対し
て、被告は、電子楽器を製造販売するメーカーであり、楽器の宣伝広告と販売促進のために、
「BOSS」と付したTシャツを無償配布した。大阪地裁は、被告は、Tシャツの取引を目的と
しておらず、Tシャツは被服ではあっても、被告の商品である電子楽器の単なる広告媒体(ノベ
ルティ商品)であり、商標法上の商品に該当しないから、被告の行為は原告の商標権を侵害する
ものではないと判示した。
(文責)弁理士 川瀬 裕之
米国大統領選に思う
変革(Change)を旗印に、YES WE CAN と民衆を煽り立て、アメリカ大統領選を戦ったバラク
オバマ氏が大勝した。彼の演説は実に絶妙であった。
大統領は学者でも評論家でもない。為政者であり、国の指導者である。指導者の資質として求め
られるのは、まず明るいということである。指導者が陰気であってはならない。そして、必要なの
はその言動がわかりやすいということである。
世の中は複雑怪奇である。時に暗雲が立ちこめて、先が見通せなくなり、閉塞感が立ちはだか
る。この先何が起こるか分からないと言う不安感がつのる。そんな時、明るい指導者が現れて、簡
明な言葉で行く先を指し示す。
「変革。そうだ、我々にはそれができる」
と力強く叫ぶ。すると、それまで立ちこめていた暗雲がたちまち晴れわたる。なんだ、そんなに
簡単なことだったのか。民衆の中から
[YES WE CAN]
の合唱が始まる。かくて、アメリカに初めての黒人大統領が誕生することになった。
さて、オバマ氏はどんな変革を求めているのだろうか。戦後60数年、アメリカべったり寄りか
かって生きてきた日本にとって、アメリカがどう変わるかということは極めて重大な問題である。
当のアメリカ人よりも、日本人の方が大統領選の行く末に関心が高かったと言う統計が出ていると
のことであるが、むべなるかなである。
テロ支援国と指定して戦ったアフガニスタン、イラクの泥沼化に足を取られて、その上サブプラ
イムローン問題で経済が疲弊したアメリカのブッシュ大統領は、ライス国務長官、ヒル国務次官補
らの意見を入れて、もう一つのテロ支援国と指定した北朝鮮の指定を解除してしまった。従来か
ら日本に冷たい民主党の大統領に代わったら、これまでより日米関係の絆がより強固になるとは
到底思えない。日本と北朝鮮の間には、拉致問題という解決困難な問題を抱えているが、オバマ
大統領がどこまで日本に肩入れしてくれるだろうか。あまり当てにはなりそうにない。北朝鮮の
核の照準は、明らかに日本に向いているはずである。アメリカは、核の傘で日本を必ず守ると言
ってはいるが、本当に当てにしていいのか。
アメリカが変革すれば、日本も変革しなければ生き延びてはいけないだろう。これまで戦後60
数年、日本は強いアメリカにおんぶにだっこされて、平和を享受してきた。なんと幸せな国であ
ったことか。しかし、これからはそうはいくまい。自国を自らの手で守る意志も気概も能力もな
い国が、アメリカが庇護してくれていたとはいえ、よくも60年以上何事もなく生きながらえて
きたことだと思う。しかし、私は最近強く感じるようになった。日本が60数年も平和でこられ
たのは、アメリカの庇護ばかりではないように思う。先の大戦で戦って死んで行った300万人
余の英霊が、日本を守ってくれているからではなかろうかと。他国は日本が怖いのではなかろう
か。日本を本気で怒らせたらどうなるか分らないと恐れているのではなかろうか。本当は根っか
らの腰抜けになっているのに。
そんな魔法はいつまでも続くはずがない。
日本は同盟国アメリカと真の信頼関係を築いていかなければならないことは勿論であるが、日
本の国は自らの手で守り抜くという気概とそのための準備を怠ってはならないと思う。今こそ、
その変革の時であろう。3発目の核爆弾の被爆を免れるためにも、まさに今こそ、英知を絞って、
準備万端整えて置くべき時であろう。
(文責)行政書士 古田 嘉人