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vol.217 「商標権の侵害とならない場合(その2)/話題2題」 2008.10.08
正当な権限のない第三者が登録商標をその指定商品等に使用し、販売や輸入等をすると、商標権の侵害となるのが原則ですが、商標の使用形態によっては侵害とならない場合があります。 今回は、商標権の侵害とならない場合のうち、真正商品の並行輸入である場合について解説します。
「商標権の侵害とならない場合(その2)」
◎  商標権の侵害とならない場合(その2)   (真正商品の並行輸入である場合) 1.はじめに 正当な権限のない第三者が登録商標をその指定商品等に使用し、販売や輸入等をすると、商標権の侵害となるのが原則ですが、商標の使用形態によっては侵害とならない場合があります。今回は、商標権の侵害とならない場合のうち、真正商品の並行輸入である場合について解説します。 2.真正商品の並行輸入 たとえば、海外ブランド品について、日本の輸入代理店が商標権を取得し、海外ブランド品を輸入している場合に、輸入代理店以外の第三者が、同じ海外ブランド品を別のルートで日本に輸入したとき、輸入代理店の商標権の侵害になるかという問題です。
(1)「フレッドペリィ事件」(最高裁 平成15.2.27 判時1817-33) 英国法人フレッド・ペリイ・スポーツウエア・リミテッド(以下「FPS社」という。) は、被服等を指定商品とし、世界的に著名なブランドである「フレッドペリー」について、世界110ヵ国において商標権を有していた。(その後、商標権の移転等がありましたが、複雑になるので記載を省略します。) 一方、オシア社(第1審被告)は、FPS社から本件登録商標について使用許諾を受け、許諾契約書には、次の通り規定されていた。 FPS社は、オシア社(第1審被告)に対し、契約地域であるシンガポール共和国、マレイシア、ブルネイ・ダルサラーム国およびインドネシア共和国において、契約品を製造、販売および頒布し、契約地域内で本件登録商標を使用することができる。 オシア社は、FPS社の同意なく、契約品の製造、仕上げまたは梱包の下請につき、いかなる取決めも行わない。 これに対して、オシア社は、FPS社の同意を得ることなく、契約地域外である中華人民共和国の工場に本件登録商標と同一の標章が付されたポロシャツを下請製造させ、日本に輸入し、販売した。このため、本件商品の輸入・販売は、商標権の侵害であるとして訴えられた。オシア社は、真正商品の並行輸入に該当し、違法性を欠くと反論した。 最高裁は、次の要件を満たすときは、真正商品の並行輸入に該当し、商標の出所表示機能および品質保証機能を害することがなく、商標を使用する者の業務上の信用および需要者の利益を損なうことがないから、商標権の侵害を構成しないと判示した。 外国で商標権者または使用許諾を受けた者により適法に商標が付されている。 外国の商標権者と我が国の商標権者とが同一人または同一視し得る。 我が国の商標権者が商品の品質管理を行い得るため、我が国の商標権者が登録商標を付した商品と、その輸入品とが品質において実質的に差異がない。 これらを本件に当てはめると、オシア社は、契約地域外である中華人民共和国の工場に下請製造させており、中華人民共和国でオシア社は使用許諾を受けていないから、商標の出所表示機能を害する(要件?を満たさない。)。また、製造国の制限および下請の制限は、商標権者が商品の品質を管理する上で重要であり、かかる契約に違反して製造された商品には、商標権者による品質管理が及ばないから、商品の品質に差異が生じ、商標の品質保証機能が害されるおそれがある(要件?を満たさない。)。したがって、真正商品の並行輸入とは認められないとして、商標権の侵害と判示した。 (2)「バーバリー事件」(東地 平成18.12.26 判時1963-143) 商標「BURBERRY」を付したバッグを輸入業者から購入し、通信販売したため、商標権の侵害として訴えられた被告は、真正商品の並行輸入であると主張し、イタリアで製造され、香港経由で日本に輸入され、輸入許可を受けたことは立証できたが、誰が何処で商標を付したかについて立証できなかったため、上述の要件?を満たさず、商標権の侵害として、差止請求と損害賠償請求が認められた。 (3)一方、真正商品の並行輸入であるから、商標権の侵害ではないとされた事件には、たとえば、「パーカー事件」(大地 昭和45.2.27 無体集2-1-71)、「ラコステ事件」(東地 昭和59.12.7 無体集16-3-760)がある。
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(文責)弁理士 川瀬 裕之
 
「1.時代を表す「親族外承継」の広まりM&Aも増え「家業」脱皮の好機」
中小企業経営者の悩める問題の一つに、次代の経営を誰に任せるか、といった「事業承継」がある。戦後から昭和の高度成長期にかけて起業したオーナー経営者が引退の時期に差し掛かっていること、この間の急速な少子化、子どもの価値観の変化、国際化など厳しい経営環境の下にあること等が原因で、事業継承の常識とされてきた「親族への承継」が減り、「親族外承継」が増えている。 中小企業経営者に抵抗感があるとされる合併・買収(M&A)も、仲介業者が増えるなどプラス思考で社会的に認知され始め、会社譲渡は必ずしも敗者の道ではなくなっている。その一方で、中小企業白書(07年版)で約18%の企業がネックと認めていた、相続税負担も大きな壁であった。しかし会社法(06年)や民法の特例など制度面の整備が進み、相続税が従来の10%免除から80%の納税猶予となる制度が09年創設予定で、税への負担感は減って来ている。 中小企業基盤整備機構の今年3月にまとめた調査において、8割の経営者は事業承継を望むものの、すでに決定済みは約15%、「これから決める」企業で「親族内で継承したい」は10%と、それぞれ低率だった。 現状で経営者の意識は変わったと見るのは早計としても、第三者の力を借りて家族的な「家業」から脱却する禅譲の好機と捉える見方もあり、非世襲型の「企業」に脱皮する時代の要請とも言えよう。
 
「2.国税の滞納残高は9年連続の減少ピーク時1998年度の6割までに」
今年3月末時点での法人税や消費税など国税の滞納残高が前年度に比べ4.1%減の1兆6, 151億円となり、1999年度以降9年連続で減少したことが、国税庁が発表した2007年度租税滞納状況でわかった。消費税の滞納残高も2000年度以降8年連続で減少したが、税目別では3年連続で最多となっている。 2007年度に発生した新規発生滞納額は前年度比1.9%減の8,825億円となり、同年度中に処理した整理額は同4.8%減ながら9,517億円と新規発生額を上回ったため、滞納残高も9年連続の減少となった。 この結果、滞納残高はピークの1998年度(2兆8,149億円)の約6割まで減少した。税目別にみると、消費税は、2006年度には新規発生滞納額が前年度比6.1%減となっていたが、2007年度は0.5%増の3,984億円と増加に転じた。しかし、整理額が4,048億円と上回ったため、滞納残高は1.4%減の4,592億円と、8年連続で減少した。 滞納残高は大幅に減少しているが、依然として高水準にあり、加えて消費税滞納については、滞納全体に占める割合が年々高まっている。このような状況を踏まえ、国税庁では、? 消費税滞納の優先処理、?厳正・的確な滞納整理による大口、悪質・処理困難事案の重点的処理、?集中電話催告センター室を活用した少額滞納事案の効率的処理といった基本方針に基づき、滞納の着実な圧縮に努めていくとしている。
ネットファーム 事務局    山 本  正

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