食が身体を作り、身体が心を作る。生き物にとって、食は生命の根源である。ところが、今その食が危うくなっている。生命の危機である。そう言うと、何か大げさに聞こえるかも知れないが、決してそうではない。食はそれほど重大なものなのである。

「時評~食の安全確保」
食が身体を作り、身体が心を作る。生き物にとって、食は生命の根源である。ところが、今その食が危うくなっている。生命の危機である。そう言うと、何か大げさに聞こえるかも知れないが、決してそうではない。食はそれほど重大なものなのである。
我が国は山林が多く平野が少ない。国土の割には人口が多い。食糧自給率は約40パーセント、主食の米以外は、ほとんど輸入に頼らざるを得ない状態である。その主食の米にしても、いつまで自給できるか分からない。
農業を担う人たちがどんどん高齢化し、減少しているからである。若者はみんな農業から逃げ出した。なぜなら農業に魅力を感じなくなったからである。水田は政府の減反政策により、ますます荒廃化している。
なぜこのように日本の農業が衰退の一途を辿ったのか。それは農業を手厚く保護し、その見返りとして、がんじがらめに規制をしたからである。日本の農業を活性化するには、規制を緩和して、もっと自由にできるようにし、競争原理が働くようにしなければならないが、おそらくそれは早急には無理であろう。利権が絡むからである。従って、日本の食は、これからも輸入に頼らざるを得ないことになる。食を外国からの輸入に頼るとなると、その安全の確保が重大な問題となる。
人の噂も75日、中国製毒入り餃子や汚染ウナギの騒動が、我々の記憶から薄れかかってきたと思ったら、また、とんでもない事件が発覚した。農水省が輸入した米に、殺虫剤、メタミドホスが残留していたり、保管が悪くてカビ毒に汚染されていたものがあり、農水省は、それを工業製品用原料として、こっそり民間に売り渡していた。その米が複雑な経路を経て、いつの間にか食用米に偽装され、老人施設や学校給食に使用され、また酒類の原料に化けていたのである。
またそれとは別に、丸大食品が中国から輸入した乳製品に毒性の強いメラミンが混入していたことも発覚し、これは日本のみならず世界中に輸出されていたため、大きな問題となっている。
この問題に関し、農水省の白須事務次官は「食用に回した企業に一義的に責任がある。立ち入り調査は不十分であったが、直ちに私どもに責任があるとは考えているわけではない」と言い、また、太田農水大臣は、「(転売された事故米は)人体に影響はない。だからあまりじたばた騒いでいない」とあまりにも無思慮、無責任な発言をしたことにより、二人とも辞任に追い込まれた。当然である。
農水省からこの事故米を工業用として買い受け、それを食用に転売した三笠フーズの行為は極めては悪質で、重大な責任があるのは当然であるが、元々このような汚染米を輸入し放置した農水省に責任があるのを誰も指弾しないのはなぜなのか。国民の血税で購入した米が不良品であったなら、なぜ突き返さないのか。良品と交換させないのか。立ち入り調査の不備よりも、その方が余ほど責任が重いのではないのか。
工業製品の生産者には製造物責任がある。農産物にはそれがないのか。輸入農産物に欠陥があって、国民が被害を受けたなら、輸入者の責任が徹底して追及されるのは当然であろう。刑事罰は勿論、被害者救済のために必要であれば、それに見合う課徴金を科すべきである。従って、輸入業者がその輸入品について、責任を持って万全な検査が行えるよう検査体制を確立しなければならない。検査のためにかかった費用は、その輸入品の価格に上乗せせざるを得ないであろうが、それは甘んじて受け入れなければなるまい。輸入農産物の価格が上がれば、貿易自由化促進の一助ともなるであろう。
(文責)社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 大津 賢一郎
「1.同族企業の優位性、長寿性に再注目~創業200年以上は日本で3,000社超」
同族企業と聞くと日本では、長寿企業だが経営内容不透明、資本と経営が一体、経営権の世襲など、最近の不祥事と相まって好印象が持たれない。これは「同族会社」と同じ見方をしているためである。同族企業はアメリカではファミリービジネスと呼ばれ、「創業者一族の影響化にある企業」と定義して区別し、全企業数の89%を占めている。そのGDPや雇用への寄与率は60%を超え、過去の衰退説から現在は肯定的な評価で優位性の学術的研究が進んでいる。
日本企業の調査では、上場企業(1、2部全て)の4割強は創業者一族が出資者か役員に名を連ねている。金融機関を除く東証上場企業の分析でも総資産利益率、自己資本利益率等で一般企業より上位を占めるケースが多い。日本で創業200年以上の企業は3,000社超、100年以上は5万社と推定され、他国にはない類稀な長寿企業大国であると専門家は分析している。
同族企業が持続性と競争優位性で一般企業より有利な点は、先行投資リスクを負担できる、経営の任期が長く長期的な視点で経営できる(他方で世代交代、企業規模拡大で足かせになる減衰説もある)、起業家活動促進(一族所有や任期長期化と表裏関係にある)社会貢献と地域活性化に寄与(雇用創出、家族愛、地域との共生等)などが挙げられる。同族企業の経営ポイントには「3円モデル」という3要素・7区分があるが、日本では今研究が始まったばかりである。
「2.2007年度の租税負担率は25.1%~「潜在的な国民負担率」は43.2%」
国民所得に対する税金の負担割合が「租税負担率」。財務省の資料によると、2007 年度のわが国の国税と地方税を合わせた租税負担率は25.1%となる。当然、税収が多ければ割合は高くなる。バブル期の90年度は27.4%だった。
過去を振り返ると、戦前の34~36年度は13%程度だったが、戦後は昭和20年代前半の混乱期を除いて20%前後で推移してきた。しかし、76年度以降、租税負担率は次第に上昇し始め、90年度の27.4%をピークに、その後はおおむね20%代前半で推移している。累次の法人税率の引下げや所得税減税、低成長による税収減などの影響といえる。
OECD諸国の租税負担率をみると、日本より低い国は、メキシコ(18.7%、2002 年)とアメリカ(23.2%、2004年)の2ヵ国のみ。ただ、国を支える費用負担という意味では、税金だけでなく社会保障費用も加味した「国民負担率」の比較、さらには財政赤字も加味した「潜在的な国民負担率」での比較が必要だ。
わが国の2007年度の国民負担率は、租税負担率25.1%に社会保障負担率14.6%を合計すると39.7%と、4年連続で上昇して過去最高を更新した。それでもイギリス(47 .5%、2004年)やドイツ(51.3%、同)よりはかなり低い。一方、潜在的な国民負担率は、わが国の場合、多額の財政赤字を抱えていることから、43.2%に跳ね上がるが、イギリス(51.7%)やドイツ(56.2%)よりは低い結果となっている。
ネットファーム 事務局 山 本 正