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vol.206 「住民税の話題/相続Q&A」 2008.07.16
「住民税の話題」
平成19年中の所得の大幅減少に対して個人住民税で減額措置とふるさと納税制度について。

「相続Q&A」
相続が開始した場合相続登記はいつすればよいか/相続人が借金を残して死亡した場合
住民税の話題
 
1.平成19年中の所得の大幅減少に対して個人住民税で減額措置
 
平成18年度の国から地方への税源移譲のため、平成19年度分の個人住民税は一律10%となっている(従来は5%、10%、13%)。そして、税源移譲前と税源移譲後で税負担が変わらないよう所得税率も変更されています。ところで、所得税は現年課税であるのに対して、住民税は前年課税であるため、平成19年度分の個人住民税は平成18年分の収入に応じて計算されている。もしも、平成19年分の収入が激減すると、所得税の減額は受けられないで住民税の増額だけになってしまうケースがあります。このような場合、税率変更前の住民税となるまで納税者に還付するという制度です。
 
(1)対象となる人
平成19年度中に転職した人や、定年退職した人、出産や病気のための長期休職した人、業績悪化した個人事業主など、平成19年度の課税所得がゼロとなった人が対象です。
(2)還付される金額
現行の10%で計算された住民税の金額から従前の5%で計算した金額の差額が還付されます。
(3)申告手続き
7月1日から7月31日までに納税者自身で申告する必要があります。還付金額を計算する必要はなく、住所と名前の記載程度です。1月1日現在の住所地の市町村に対して行います。
 
2.ふるさと納税制度
 
ふるさと納税制度は「ふるさと」を応援したい、「ふるさと」に貢献したいというように応援や貢献したいと思う地方自治体へ寄付をした場合、現在の住所地の個人住民税から一定限度の寄付金控除を受けることができるというものです。
 
(1)寄付金控除額
寄付金額から5,000円差し引いた額の税金が控除されます。ただし、住民税の特例控除額は個人住民税所得割額の10%が限度となります。
たとえば年収700万円で個人住民税所得割293,500円、所得税の税率10%で40,000円寄付した場合、所得税の控除は40,000円から5,000円差し引いた35,000円の10%、3,500円が控除され、住民税は10%の税率ですので同じく3,500円が基本控除額となります。さらに住民税の特例控除として住民税所得割額の10%を限度として、この場合、合計35,000円になるまでの金額28,000円となります。結果、控除額は所得税の3,500円と住民税の31,500円の35,000円です。
 
(2)ふるさと納税の手続き
a寄付したい市町村へ「寄付申込書」を郵便、ファックス、電子メール、窓口へ直接で申し込みをする。
b.納付書等が市町村から郵送されてきますので、金融機関等で払込をします。
c.翌年3月15日までに最寄りの税務署にて確定申告をします。その際、領収書の添付が必要です。
d.所得税は確定申告の際、収める税額から控除するか、後日還付となります。住民税は確定申告書が市町村へ回り、翌年の住民税から控除されることになります。
 
(文責)公認会計士   魚住 正治
 
相続Q&A
 
<相続が開始した場合相続登記はいつすればよいか>
 
 不動産を所有している人が亡くなった時に相続が発生します。相続登記は、相続が発生してから何ヶ月以内に登記をしなければならないとの法的な決まりはありません。

 ただし、相続税の申告は、10ヶ月以内にしなければなりません。

 例えば、お父さんが亡くなって、相続人がお母さんと子供1人の場合は、当分の間、相続登記をしなくて問題が生じることはありませんが、反対に相続人が大勢いる場合や、相続人が高齢の場合、相続人に行方不明者がいる場合などは、早急に相続登記をした方がよいと考えます。 また、不動産を売却する場合、贈与する場合、不動産を担保にお金を借りる場合などには、先に相続登記をする必要があります。

 何代も前から相続登記をしなければ、共同相続人が数十人になり、戸籍謄本(除籍)を集めるだけでも膨大な費用と労力が必要です、また、顔も名前も知らない大勢の共同相続人と遺産分割協議を行うことになり、協議が難航することが予想されます。

 た、口約束で「この土地建物を何某が貰う」と決めていても、遺産分割協議書がなければ、改めて、相続人全員の承諾を得る必要が生じる場合があります。登記が亡くなった人の名義のままである場合、第三者から見れば、共同相続人が法定相続分で共有していると推定されます。相続人の1人が、多額の負債を負っている場合、その債権者は、相続人の承諾なしに法定相続登記をして(債権者代位)債務者である相続人の持分にだけ差押をすることができるのです。
 
<相続人が借金を残して死亡した場合>
 
 相続人は、相続開始の時から、亡くなった人の財産に属した一切の権利義務を承継します。

 従って、土地、建物、預貯金、有価証券等プラスの財産だけでなく、借金等マイナスの財産をも相続人に受け継がれることになります。相続人は、自分の意思とは無関係に負債を負わされることになります。そこで、相続人を保護するために、被相続人のプラスの財産も借金等のマイナス財産も一切受け継がないとする「相続放棄」という制度が設けられています。

 また、親の資産と借金のどちらが多いか分からない場合は、プラス財産の限度で借金等マイナス財産を受け継ぐ「限定承認」という手続きを取ることができます。相続放棄及び限定承認は、いずれも、相続人が自己のために相続開始の事実を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に対して申述することによって行うことができます。

 相続放棄又は限定承認の手続きを取らなかった場合は、原則、被相続人のプラスの財産や借金等のマイナス財産を全て受け継ぐことになります。 この期間内に相続人が判断できない特別な事情がある時は、家庭裁判所に申立することによって、期間を伸長してもらえることもできます。
 
(文責)司法書士  龍見  康務
 

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