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vol.205 「労働者派遣事業について⑤~派遣先のルール~/話題2題」 2008.07.09
労働者派遣事業について⑤ ~派遣先のルール~
今回は派遣労働者を受け入れる派遣先企業に課せられる事項について説明します。

話題
1.地域金融機関が共同で商品開発~投信、住宅ローンなど充実の内容
2.07年度査察は353億円の脱税把握~消費税関連、過去最高の30件告発
労働者派遣事業について⑤~派遣先のルール~
 
前回は、派遣元(人材派遣会社)に義務化されているルールについてお話しました。今回は派遣労働者を受け入れる派遣先企業に課せられる事項について説明します。
 
1.派遣受入期間の規制・・
平成11年の改正派遣法により、ほぼすべての業種で派遣ができますが、現在において、①港湾運送業部 ②建設業務 ③警備業務 ④医療関係の業務は、許可されない業務(ネガティブリスト)としてあげられます。また、許可される業務でも、派遣法が改正される前から派遣の対象となっていた専門的26業務と、それ以外の業務に区分されています。専門26業務は、派遣労働者の受入期間の制限はありませんが、それ以外、特に平成11年の改正派遣法で派遣が解禁された業務(自由化業務)は、原則1年(ただし、3年以内の期間を定めたときは、その期間)を超えて派遣を受け入れてはならないとなっています。もともと派遣法では、派遣受入期間について規定し、無制限に許可していたわけではありません。これは、派遣先企業に正社員を雇うより、雇用調整がしやすい派遣を安易に繰り返されることを規制するためです。この派遣受入期間の制限は、事業場ごとに同一の業務を対象としており、派遣元や派遣労働者が異なっていたとしても、規制されます。ただ、派遣元(人材派遣会社)では、派遣先企業がその業務について、すでに別の派遣を受け入れていたかどうかは、わかりません。そこで、派遣法では、派遣先が自由化業務について新たな派遣を受け入れる場合、この業務について「派遣受入期間の制限の規定に抵触することとなる最初の日」をあらかじめ派遣先に通知しければならさいとされています。この通知がなされない場合、派遣元は派遣契約を締結してはなりません。また、受入期間まで派遣を受け入れた企業は、3ヶ月を空けると次の派遣受入を行えることになっています。
 
2.派遣先責任者の選任・・
派遣会社には、派遣元責任者の設置が義務付けられていますが、派遣先にも派遣スタッフの適正な就業を確保するために派遣先責任者を置かなければならないとされています。派遣先責任者は、事業所とその他派遣就業の場所ごとに、派遣スタッフ100人ごとに、派遣先企業の雇用する労働者から選任することになります。主な職務は、派遣スタッフを直接指揮命令する者に対して、派遣法・派遣契約を周知させ、派遣可能期間についての派遣元への通知、派遣先管理台帳の整備、派遣スタッフから申し出を受けた苦情を処理する などです。人材派遣では、派遣元が雇用主としての責任を負うことになりますが、具体的な就業に伴う事項については、派遣先が責任を負うことになっています。例えば、「労働基準法」においては、基本となる所定労働時間や時間外労働の枠組み・設定は、派遣元が行い、労働時間・休憩・休日など具体的な事項について派遣先が法令を遵守しなければなりません。
また、派遣スタッフが労働災害により死亡または4日以上の休業をしたとき所轄労働基準監督署に「死傷病報告書」を提出しますが、派遣先・派遣元双方に提出義務が課されるようになりました。
 
3.派遣解除にあたって・・
派遣契約は、派遣元・派遣先が協議し必要な措置を定めることになっていますが、派遣スタッフを保護する意味から、派遣契約の解除にあたっては、派遣先が講ずべき措置が指針として定められています。派遣契約を解除する場合、派遣元から求められたときは、その理由を明らかにすること、また派遣先の都合により解除する場合には、派遣元の合意を得ること、あらかじめ相当の猶予期間をもって申入れを行うこと、さらに予告を行わない場合には、派遣スタッフの30日の賃金相当額の損害賠償を行わなければならないとしています。
 
4.その他・・
派遣スタッフの苦情で一番多いのが、業務内容のトラブルです。派遣先の指揮命令系統があいまいである、契約と異なる業務を命ぜられる、派遣先が求めるスキルとのギャップがある、などがこれにあたります。派遣元・派遣先の派遣契約の前の時点で、具体的な業務内容、派遣先のニーズ・求めるスキルについて綿密な話し合いが必要ですし、派遣就業中のトラブルについては、派遣元・派遣先が連携して適切かつ迅速に苦情処理に図ることとされています。
 
(文責)行政書士  谷口 恵子
 
話題1.「地域金融機関が共同で商品開発~投信、住宅ローンなど充実の内容」
 
 地方銀行協会加盟の全国64地銀のうち50行以上が参加して共同で今年9月までに「女性向け住宅ローン」などの金融商品の共同開発を始める。複数の地銀で連携することで利用者の人数と便利性が増して地域密着の金融機関ならではのサービスが充実しそうな見通しである。

 また、信用金庫や信用組合も今年4月から統一の保険商品の扱いを始めた。これらの提携の裏には巨大なゆうちょ銀行の脅威があると見える。地銀などの単独での対抗が難しいため、営業地域の重ならない複数の金融機関で連携して難局に対処するのだ。  金融商品に関心のある利用者や団塊世代のような見込み客にとっては歓迎すべきことであろう。比較対象となる商品の選択肢が広がることは間違いない。

 先述の「女性向け住宅ローン」は、特典に工夫がなされている。福利厚生サービスの専門会社と連携し家事代行や育児サービス、乳がん検診などを用意している。金融機関同士の連携で特典の利用料金が低く抑えられるのも魅力。すでに07年、地銀15行が連携し国内外の株式・債権・不動産投資信託(REIT)用に専用の投資信託販売を始め実績を上げている。

 景気後退論、長引く株安、地域経済不振が憂える中、地域金融機関の存在は、投資家を含め一般の利用者が安心して購入できる最も身近なアドバイザーになるかもしれない。
 
 
 
話題2.「07年度査察は353億円の脱税把握~消費税関連、過去最高の30件告発」
 
  国税庁が公表した2007年度査察白書によると、査察で摘発した脱税総額は前年度を49億円上回る353億円にのぼった。  検察庁に告発した件数は前年度より8件少ない158件だったが、1件平均の脱税額は3年連続で増加した。

 2007年度1年間に全国の国税局が査察に着手した件数は220件(前年度231件)、継続事案を含む218件(同221件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、うち72.5%(同75.1%)にあたる158件を検察庁に告発した。告発分1件あたりの脱税額は前年度より2,800万円多い1億9,500万円だった。

 2007年度の脱税総額353億円は、前年度よりは増加したが、近年は大口事案が減少しており、ピークの1988年度(714億円)に比べ5割近くにまで減少している。

 告発分を税目別にみると、所得税は2件減の57件で、件数では「法人税」(16件減の62件)より少ないが、脱税総額では約94億円と法人税(約81億円)を上回った。そのほか、消費税は7件増の30件となり、脱税額も倍増の約44億円に達した。

脱税の手口としては、外国為替証拠金取引(FX取引)による利益の除外や、架空の輸出免税売上とそれに見合う架空の課税仕入の計上、人材派遣業を中心に、本来課税仕入に該当しない人件費を課税仕入となる外注費に科目を仮装することなどによる消費税の脱税が目立った。
 
(文責)ネットファーム事務局     山本 正
 

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