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vol.202 「商標の登録要件(その1)/話題 2題」 2008.06.18
1.商標の登録要件(その1)
 商標登録を受けるための要件のうち、商標の使用意思について

話題 2題
 定年再雇用に新風が吹き込む~本格戦力化をふまえ待遇見直し
 路線価公表1ヵ月早まり7月1日~冊子での公表なくなり期間を短縮
「商標の登録要件(その1)」
 
1.はじめに
 
今回は、商標登録を受けるための要件のうち、商標の使用意思について説明します(商標法第3条第1項柱書)。これ以外の登録要件には、商標の識別力があり(第3条1項各号)、公益または私益保護のための不登録要件があります(4条1項各号)。
 
2.商標の使用意思
 
(1)商標は、自分の商品または役務(;いわゆるサービスのことです。)の識別標識であり、使用することにより商標が識別機能を発揮し、商標を使用する者の業務上の信用が商標に蓄積し、この業務上の信用を商標法では保護しています。一方、現在使用されておらず、将来においても使用されない商標は、識別機能を発揮せず、保護価値がありません。このため、出願人が自分の商品または役務との関係で商標を使用する意思が登録要件として要求されます。
 
(2)具体的には、つぎの場合には商標の使用意思がないとして出願拒絶理由が通知され、出願人が自分の業務を証明しなければ、出願は拒絶されます。
 
A.法律により兼業が禁止されている銀行業や保険業のように、法令上の制限により、商品または役務について業務を適法に実施できない場合
 
B.小売業務または卸売業務における役務(;小売等役務といいます。)
 
(i)衣料品、飲食料品および生活用品についての各種の商品を一括して取り扱う小売等役務(;たとえば、スーパーマーケットなどが該当します。以下、「総合小売等役務」といいます。)について、個人が出願した場合
(ii)総合小売等役務について法人が出願した場合であっても、特許庁の審査官が職権で調査した結果、使用意思が認められない場合:たとえば、出願人である法人の業務範囲を審査官がインターネットで検索した結果、出願人の業務範囲から見て、出願人が総合小売等役務を行うとは認められない場合
(iii)複数の小売等役務について出願しているが、それらの小売等役務が非類似である場合
 
C.小売等役務以外の商品または役務では、1つの商品区分内で8つ以上の非類似商品について出願している場合(役務についても同様です。)
 
(3)例外として、たとえば、会社の設立発起人が、会社を設立する前に、会社の商標を個人名義で出願して商標登録を受け、会社設立後に会社に名義を変更して、会社設立早々から登録商標を使用できるように準備しておく場合、このような措置は、発起人として、職務上、望ましい措置です。しかし、この場合、発起人自身は商標を自分で使用する意思はないから、上述の自己の業務を厳格に適用すると、このような措置は実行できなくなります。そこで、このような場合には、自己の業務を柔軟に解釈して、発起人名義の商標登録を認めるように運用しています。
 
さらに詳細をお知りになりたい方は、ご連絡下さい。
 
(文責)弁理士  川瀬  裕之
 
話題1.定年再雇用に新風が吹き込む~本格戦力化をふまえ待遇見直し
 
 厚生労働省が07年6月、82,000社対象に行った改正高年齢者雇用安定法への調査では、「継続雇用で対応」と答えた企業が86%も占めた。多くの企業では再雇用を中心とした継続雇用で対処していることがわかる。

 経済情勢は好転したが、少子・長寿化、労働力人口の減少等は加速している。高年齢者に蓄積された能力は、同一企業においてこそ発揮出来ること、ベテランによる若手への模範・技術継承の役目も果たせること、更に一旦離職した高年齢者の再就職は厳しいこと等から、再雇用の形態見直しに着手する企業が目立っている。

 様々な形で雇用形態の拡大が進んでおり、まず再雇用制度の待遇改善ではコマツが1年ごとの雇用契約(管理職経験者・フルタイム雇用)を3年に延長した。注目は給与体系の改定で、最大で従来の2倍にあたる年収1,000万円まで引き上げ、段階的に500万円までの4段階に改めた。三井造船、新日鉄なども賃金・賞与を引き上げた。次に柔軟な勤務体系の導入は大成建設などで、09年4月から1日5時間程度の短時間勤務などを新設する(従来は週5日フルタイム限定)。65歳までの定年延長制度を導入したのはイオン(07年2月)と日本毛織(09年4月)。勤務地限定なし等の諸条件付きで、59歳時賃金水準を維持する。建機、造船、鉄鋼などグローバルな需要が拡大中で、高齢でも有能技術者の働くメリットを名実ともに付与する仕組みが求められる時代といえよう。
 
 
 
路線価公表1ヵ月早まり7月1日~冊子での公表なくなり期間を短縮
 
 国税庁はこのほど、2008年分の路線価を7月1日(火)に全国の国税局・税務署で公表することを明らかにした。路線価は、相続税や贈与税における土地等の評価額算定の際の基準となるもの。昨年8月に公表された2007年分の路線価では、標準宅地の平均額が前年を8.6%上回り、2年連続で上昇している。路線価は、1月1日を評価時点に、公示価格の8割程度が目安とされている。

 国土交通省が今年3月に公表した今年1月1日時点の公示地価は、全国全用途平均で前年比1.3%増と2年連続の増加となったことから、路線価も3年連続の上昇となる公算が強い。

 ところで、この路線価の公表日は、昨年は8月1日だが、今年は1ヵ月も早まる。納税者にとって歓迎すべきことだが、一方で、本年からは紙による路線価図等(冊子)を国税局・税務署に備え付けないことになったので留意したい。公表日が1ヵ月短縮された理由は、冊子での路線価図等の制作をやめたことで、その作業時間分が浮いたことにある。

 公表日の短縮で納税者の利便性も向上したが、国税当局も大きなコスト削減ができたことになる。今後、国税局や税務署の窓口には、路線価図等閲覧用のパソコンが設置されるという。また、自宅や会社のパソコンから国税庁のホームページの「路線価図等の閲覧コーナー」にアクセスすれば、従来どおり、全国の過去3年分の路線価図等を見ることができる。
 
(文責)ネットファーム事務局   山本 正
 

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